新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ビル分野では感染リスク低減のためエレベーターなどの共用設備に手を触れない形での移動や、人との接触機会の低減といった新たな対応が求められている。施策の一つとして、ビルなどへの入場者の検温があり、不特定多数の入場者が訪れる施設においてはサーマルカメラの導入が進んでいる。しかし、現場運用に人手が多くかかっており、担当者の感染リスク低減も課題となっている。
日立と日立ビルシステムは本年4月、ビルやマンションなどで非接触での移動・生活を行うためのタッチレスソリューションを体系化した。具体的には、防犯カメラなどで顔認証や人流解析を行う画像解析サービスや、ハンズフリータグ(携帯しているだけで入退室が可能なタグ)の活用による、建物エントランスからエレベーター、執務室などの専有部までの非接触での建物内移動と「3密」状態の軽減、コミュニケーションロボット「EMIEW」による対面業務の代替などのソリューションを提案した。
そして今回、両社は、サーマルカメラ(人の額から発せられる遠赤外線を検出して温度を測定するカメラ)による発熱者検知システムの提供を開始した。また、統合型ファシリティマネジメントソリューション「BIVALE」(※)などと連動させることで、サーマルカメラ運用時の課題となる現場に常駐する担当者人数の縮減を実現する運用支援ソリューションを開発した。具体的には、新たに「BIVALE」に追加したサーマルカメラの遠隔モニタリング機能により、建物エントランスなどに設置したサーマルカメラで発熱者を検知すると、離れた場所にいるビル管理者に検知情報をメールで通知し、ビル管理者が遠隔で映像を確認して対象者を特定するしくみである。
サーマルカメラとロボットとの連動による現場対応支援や、「BIVALE」で管理可能なセキュリティゲートなどのビル設備との連動による入館管理なども可能だ。
※BIVALE:遠隔でエネルギー・セキュリティ・ビル管理を一元的に行える、日立ビルシステムのクラウド型ビルファシリティマネジメントソリューション
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