日本電気株式会社(以下、NEC)は、流通・小売業全般のマーケティング用途として、店舗内のカメラから来店者の行動を可視化、分析する「人物行動分析サービス」を本日より販売開始した。価格は、1店舗月額22万円から(税抜き、注1)。
同サービスは、NEC独自の画像解析技術の活用により、店舗内にあるカメラから、来店者の性別や年代、移動履歴、滞留状況を把握し、来店者の行動を分析する。
店舗における時間帯ごとの来店者数推移や、来店者の滞留状況を示すヒートマップなど複数の分析結果から、店舗内の行動パターンの傾向を把握できるため、データに基づいた戦略的なマーケティング施策の立案や、施策効果の検証が可能。これにより、来店者にとって快適な店舗レイアウト設計や魅力のある売り場づくりなどを効率的に行え、サービス品質や来店者満足度の向上につながるという。サービスの特長は以下の通り。
- 画像解析技術を活用し、映像から来店者の属性や店舗内行動を把握
店舗内のカメラから、人物・顔を検出して性別年齢などを推定する「性別・年齢自動推定技術」や、複数のカメラの映像を連携・活用し、人物を検出、追跡する「人物動線抽出技術」など、NEC独自の画像解析技術により、来店者の性別や年代、人数、移動履歴、滞留状況などを把握できる。映像から来店者の行動を分析するため、センサーやタグなどの認証装置を用いる必要がなく、容易に情報を取得できる。また、店舗内にある既設の防犯カメラを活用することも可能なため、導入コストの低減にもつながる。 - 来店者の行動を見える化し、マーケティング施策立案を支援
店舗内のカメラから来店者の行動を解析し、以下のような複数の分析データ(グラフなど)を提供。
・時間帯別の来店者の傾向を示す来店者数分析
・滞留状況を示すヒートマップ
・人気棚や課題発見が可能なコンバージョン(注2)など
これにより来店者の行動パターンの傾向を把握できるため、効果的な店舗レイアウト設計、時間や移動経路に合わせたキャンペーン施策、施策前後のデータ比較による効果検証が可能。さらに、これらの情報と店舗が保有するPOSの購買実績などを合わせて活用すれば、購買者に加えて、これまで取得が難しかった非購買者の行動分析も可能となり、機会損失の削減や新規顧客の取り込みなど、効果的なマーケティング施策の立案が行える。
分析結果の閲覧画面はWebブラウザ経由で利用可能なクラウドサービス(SaaS)として提供。このため、ユーザのオフィスだけでなく、外出先からのデータ閲覧や複数店舗データの一元管理も容易だという。なお、同分析機能は、NECのクラウド基盤サービス「NEC Cloud IaaS」にて提供。
分析結果の活用例は以下の通り。
- 時間帯別の来店者属性の把握により、タイムセールや特価商品の選定に活用
- 通路の通過状況や滞留状況の把握により、効果的な店舗レイアウトの設計に活用
- 新商品のテストマーケティングやキャンペーンの効果検証として、施策前後のデータ比較に活用
なお、より高度な分析機能の提供について、顧客企業との共創により検討を進めていき、将来的には、他業種への適用も視野に入れ、新たなサービスの開発に取り組んでいくという。
(注1)「人物行動分析サービス」利用にあたり、初期導入費用(店舗内のカメラ調整やシステム環境構築費用等)は別途必要。
(注2)コンバージョンとは、一般的には、Webサイト運営ではアクセス率などの成果を示す分析指標として使用されている。同サービスでは、実店舗での通過人数に対する検討人数などの比率をコンバージョンとしている。
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・日本電気(NEC)
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