キャッシュレス時代へ本格突入、POSレジの進化と顕在化する無人レジの価値 ーCOMPUTEX2019レポート5

COMPUTEXには、いつも様々なPOSレジが展示されている。スマホやタブレットの登場とキャッシュレスの普及で、今回のCOMPUTEXでは、一気にPOSレジの機能や形状が変化し始めていた。

特に、キャッシュレス専用の、現金の出し入れを必要としないPOSレジは、機械というよりITサービスに近いものとなった。スマホやタブレットというインターフェースがあれば、決済処理がどこでもできる。

POSレジの進化と顕在化する無人レジの価値 ーCOMPUTEX2019レポート5
様々な企業がセルフレジ含め多様なPOSレジ製品を展示

現金を格納することで、レジは高価になり、スペースも取られ、オペレーションとしても現金管理に気を付けなくてはならない。一方で、多くの国では現金が使えない店にすると顕著に機会損失が起きる。

しかし、WeChatPayやAlipayが定着している中国のようになると、店舗のオペレーションは一気に楽になる。そして治安上設置しにくかった自販機も場所問わずいろいろなところに設置できるようになるだけでなく、無人店舗の提供すら可能になるのだ。

オペレーションの簡便化・スマート化への取り組み

キャッシュレスは、その価値以外に、店舗や買い物のシステムをも大きく変える。

キャッシュレス化によってPOSレジのリプレースが起きるわけだが、その際に、店舗での様々なオペレーションをテクノロジーによって軽減しようという流れが発生する。

その結果、POSレジ リプレースのトレンドにおいて、勝ち抜くために、各社が様々なアピールをしていた。

パンの画像認識レジ

POSレジの進化と顕在化する無人レジの価値 ーCOMPUTEX2019レポート5
Flytechのブースにあった置くとすぐにパンを画像認識するレジ

日本でもいくつかの店舗で導入されている「パンの画像認識レジ」は、画像認識の速度と精度の向上が進んでいる。

マイクロソフトのブースでは、セルフレジのハードとしての性能だけでなく、「Microsoft Azureを活用した分析」や「リアルタイムフィードバック」ができることをアピールしていた。

IoT化のメリットが「リアルタイム性」であることは、言うまでもないが、レジを締めてから売上分析をしていた時代から考えると、完全リアルタイムに店舗の状態が吸い上げられることが可能となると、チェーン店でのMDはもちろん、個人店でも廃棄ロスや機会損失にも対応できるようになるだろう。

POSレジの進化と顕在化する無人レジの価値 ーCOMPUTEX2019レポート5
MicrosoftブースにあったnexCOBOTの顔認証対応セルフレジはAzureを活用

顧客の顔認証

COMPUTEXの会場から飛び出して、街中でさらにこの兆しを考察する。

まず、顔認証技術だが、これは既に汎用的になってきていて多くのPOSレジが対応していた。

私たちの生活でも、顔認証を採用する場所が増加している。スマホにおける認証はやや精度に問題があるが、非常に高精度な認識が求められる場でも顔認証は商用で採用されている。

特に羽田空港で先行導入していた顔認証での出入国審査はわかりやすいユースケースだ。この顔認証ゲートは成田空港でも6月から入国で導入され、今年の秋には出国の場にも設置されるということだ。

精度と速度が向上した顔認証技術は、今後決済だけでなく、入館ゲートや改札などでも採用が進みそうだ。

オペレーションの無人化に向けて

今後、顔認証決済も含め、POSレジや決済シーンの無人化はどうなっていくのだろうか。

日本は世界の中でも飲料の自販機が非常に多く、無人販売と聞いて最初に想起されるものかもしれない。飲料の自販機はさほど珍しくないが、今回台北で訪問した最新のオフィスビルには「温かい食事の自販機」が設置されていた。

POSレジの進化と顕在化する無人レジの価値 ーCOMPUTEX2019レポート5
HOTE MEAL販売機は、日本のように現金が流通する台湾でもキャッシュレス専用

オフィスのコンビニは昼時は混雑し、行列が絶えない。そういった店舗に比べお昼時でもすぐにランチ買うことができるソリューションになっているのだという。

また、現地の人に聞くと、温暖な台湾だが、台湾の人たちはランチなどでも基本的には暖かいものしか食べないという。そういった食文化に対応するために、開発されたものだ。このような実態を見ると、家にホットミールストッカーが設置される日も遠くないのかもしれない。

多言語対応表示

もう一つ、街中で目に付いたものが、多言語対応自販機だ。

会場近辺では101の展望台チケットの販売機やMRTの券売機がそれにあたる。

これらは他の国でも見かけるものだが、現地の言語がわからない時にこれほど助かるものはない。店舗のスタッフが多言語に対応することは困難だが、特定の目的に対して、必要な部分だけ多言語化することは容易だ。特にタッチパネルの普及はこの環境構築に大きく貢献したと言える。

POSレジの進化と顕在化する無人レジの価値 ーCOMPUTEX2019レポート5
MRTの券売機は12の言語に対応していた。

有人の窓口やレジだと、なかなか質問ができず、最適な支払方法を選択しているのかということはもちろん、購入しているものが間違えていないのかどうかもわからない時がある。

理解できる言語で、表示して確認をしてくれる多言語に対応した無人決済端末の需要は今後さらに高まっていくだろう。

特に日本は、インバウンドの方には言語の壁が高い国であることを考えると、海外以上に、多言語に対応した無人決済端末の普及促進が必要なのではないだろうか。