アルゼンチンの首都ブエノスアイレス市によると、住民の16.2%が生活に必要な物資を購入できる最低限の収入を示す貧困線以下の生活をしており、こうした経済的脆弱性は、一定レベルの製品やサービスを享受するために相対的に高い対価が必要となる「poverty penalty(貧困ペナルティ)」と関連している。
この貧困ペナルティの主要な要因の1つに、不完全な情報が挙げられる。情報の欠如は人々の市場への参加を妨げ、経済的に平均的な階層の人々よりも高い対価を求められ、不利益を被ることにつながっている。
こうした課題に対処するため、NECの海外現地法人であるNECアルゼンチンとCivil Association DECODES(NGO Bitcoin Argentina)、および米州開発銀行グループのイノベーション研究所であるIDB Labは本日、ブロックチェーン技術を活用したデジタルIDの開発プロジェクトに関する覚書を締結した。
同プロジェクトは、ブエノスアイレス市の住民に携帯可能で安全かつ透明性が高い自己証明型のデジタルIDを提供して、質の高い製品やサービスへのアクセスを向上し、経済的脆弱性を改善することを目指す。
ブロックチェーン技術により、個人の取引履歴を高い安全性と信頼性を担保しながら記録し、かつプライバシーを守り、データを自己管理できるようになる。例えば、銀行口座を持っていない人でも、デジタルウォレットを利用して支払いや送金などの金融サービスを受けることが可能になり、それらの取引履歴を記録することが出来るようになる。
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