昭和30年代、高度経済成長の波で急成長した日本の産業は、同時に臭気苦情問題に悩まされた。昭和46年に施行された悪臭防止法では工場やそのほか事業所に対し臭気の排出規制値を設け、その測定方法には人間の嗅覚を用いた嗅覚測定法が採用されている。しかし、人間の嗅覚を用いた測定方法は時間やコストがかかるため、臭気の常時監視は不向きだった。
そこで、携帯式においセンサー事業を創業以来30年に渡り取り組んできた臭気対策専門の会社、株式会社カルモアでは、事業所から排出される臭気の管理・監視を行う定点式におい観測システム「LIMOS」を開発し、4月1日に発売する。敷地境界上や苦情が発生しやすい方角の風下などにLIMOSを設置することで臭気の排出状況をリアルタイムに数値化し、複数台設置することで事業所全体の臭気を監視することができる。
特長は以下の通り。
- 24時間リアルタイム監視とアラート機能搭載
設置された各子機の測定データはリアルタイムに親機が受信し、常時モニタリングができる。設定した閾値を超えた場合には親機画面上に色で通知する。またWi-Fi接続中はメールでも通知する。 - 臭気濃度もしくは臭気指数換算値でも監視可能
測定値を臭気濃度もしくは臭気指数の換算値で表示させるための換算式機能を搭載している。これにより親機上で臭気濃度もしくは臭気指数換算値での管理ができる。換算式の作成は別途オプションだ。 - 1km先でも通信可能な無線規格を採用
中継を用いずに1km先の子機とも無線通信可能なため、通信機器設置の煩雑さから解放され、さらに通信機器コストも抑えることができる。 - 標準8台、最大16台の子機が設置可能
受信機である1つの親機は標準で8台、最大16台まで子機である測定送信機を接続することができる。全方位にバランスよく設置したり、苦情が発生しやすい場所に集中的に設置するなど多様な設置方法を検討できる。 - 親機は7inchタッチパネルタブレット
子機の発信する測定値を受信する親機は7inchの液晶タッチパネルタブレットを採用している。専用のパソコンソフトがないため、インストールに手間取ることも難しい設定も必要ない。
なお、通常、LIMOSの測定値はカルモアオリジナルの測定値であり悪臭防止法に準じた嗅覚測定法で得られる値とは異なる。
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