筑波大学とJST、流れるデータをリアルタイムに圧縮・解凍する新技術を開発

IoTやクラウドを活用するには、デジタルデータの計算や伝送速度、例えば監視カメラ映像による人物特定のように、映像の伝送やAIによる認識、結果を利用者に返す一連の流れを高速化する技術が求められている。これらの過程で時間がかかるのは、AIによるデータ計算よりもデータの移動(通信)だ。

そこで、元データの情報の高精細さを損なわずにデータ量を可能な限り削減し、通信時間を減らす手法の開発が求められている。これを実現すれば、AIの計算に必要なデータをより短時間で伝送でき、世界規模での消費電力の削減につながる。

一方、従来のデータ圧縮技術では、データを有限なある程度のまとまりとして記録し、それを圧縮していた。そのため、終わりなく連綿と流れるデータ(データストリーム)を圧縮する場合、圧縮機構は大がかりになるが、リアルタイムの圧縮はできない問題があった。

そこで、国立大学法人筑波大学と国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)は、映像などのデータを圧縮器に一度通すことで、頻出するデータのパターンを自動的に見つけて圧縮・完全に復元(解凍)可能な新技術を開発した。

この新技術は、複数の単位データをまとめて1ビットにまで圧縮でき、従来方式に比べ圧縮効率が10~30%向上した。また、プロセッサやメモリなどを利用することなく、高速でコンパクトなデータ圧縮機能のハードウェア化が容易にできるという特色がある。

両者は、半導体チップに今回の成果を適用し、AIに実装すれば、データ量の削減によるさらなる高速化、データの移動経路における省電力化が図れるとしている。

今後は、この技術を情報理論の学問体系から科学的に探求していくほか、ハードウェア化においても可能な限りコンパクトで高速動作する構成を追求し、IoTやクラウドへの応用を目指す計画だ。

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