工場や施設などの設備を有する現場では、設備の安定稼働を維持するために日々のメンテナンスや故障時の迅速な部品交換が不可欠だ。
万が一、故障した生産設備において必要な部品がすぐに交換できなかった場合、設備が稼働できずに生産・営業活動が止まり、結果として生産性が下がる可能性がある。
さらに、近年は設備の老朽化や保全人材の不足が深刻化しており、故障やメンテナンスに備えて事前に用意しておく「予備品」の適切な管理は、設備停止時間の短縮や生産ラインの安定稼働の維持において極めて重要な業務となっている。
しかし、多くの現場では予備品の在庫が不明確で必要な時に在庫が切れていたり、使用記録が残せていないために部品交換時期が最適化できていない課題を抱えており、設備停止時間の長期化や対応の属人化につながっていた。
こうした中、株式会社カミナシは、同社が提供する設備の保全業務をデジタル化するクラウドサービス「カミナシ 設備保全」において、予備品(部品)の在庫記録・修理作業記録を一元化できる機能の提供を開始した。
「カミナシ 設備保全」は、設備ごとに作成するカルテに故障履歴や保全計画の記録を一元管理するシステムだ。
スマートフォンでの作業記録や製造現場からの異常報告の記録により、現場と設備保全担当者との情報共有が可能になる。さらに、他のカミナシ製品との連携により、日常点検データやマニュアルを活用することも可能だ。
今回発表された「予備品管理機能」は、修理記録と自動連動した入出庫管理で在庫切れを防止する機能だ。作業記録時に使用した部品を登録すると、自動的に在庫数が差し引かれる。
これにより、リアルタイムで予備品の正確な在庫状況を一元管理して把握することが可能だ。
また、在庫がなくなりそうな部品は、一覧画面でわかりやすく表示されるなど、在庫切れや発注忘れのリスクを軽減する。
さらに、設備に使用部品を紐付けて登録することができる。これにより、設備ごとの使用部品を確認でき、部品の特定が容易になる。
作業記録時には、その設備に紐付いている部品の中から選択して記録できるため、手早く正確な記録が可能だ。加えて、棚の位置といった保管場所の情報も付与することができる。
他にも、部品ごとの入出庫履歴や使用設備を確認することができる。部品交換記録に基づき、交換頻度の見直しや計画的な予防保全への切り替え、交換周期の最適化が可能だ。
今後は、設備の更新判断にも役立てられるよう、設備ごとに業者・部品コストの集計ができる機能を開発予定だ。
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