1st Partyデータは、企業や組織が自社の顧客やWebサイト訪問者との直接的な関わりの中で、自社で収集・保有するデータだ。これらのデータを利活用することにより、マーケティングROI(以下、mROI)の向上が期待されている。
一方で、プライバシーポリシーに基づく同意範囲の管理や、システムの安全性確保といった課題により、企業グループ内であってもデータ連携が難しいケースが多く見られる。
特に、複数のデータソースを活用する際には、それぞれ異なるプライバシーポリシーに対応する必要があり、それぞれのデータソースから提供される個人データの同意範囲を適切に管理するのは容易ではない。
また、一度データを送付すると、送付先のデータを更新できないといったことや、無断コピーや目的外利用を防ぐ手段も限られていることが、データ連携上の障壁となっていた。
こうした中、株式会社電通とSnowflake合同会社は、企業グループ内・他企業間のデータ連携を促進し、mROIの最大化を支援するプラットフォーム「Tobiras Shared Garden(トビラス・シェアード・ガーデン)」(以下、TSG)を開発し、提供を開始すると発表した。
「TSG」は、既存のシステム環境に依存せず、マルチクラウドで柔軟かつ安全なデータ連携を実現するプラットフォームで、3つの機能を提供する。
1つ目の機能は、「Consent Matching Support AI」だ。これは、連携データに関連する複数のプライバシーポリシーを読み込み、同意内容と一致する表現を抽出・リスト化することで、プライバシーポリシーの確認を支援する機能だ。
2つ目は、データ連携における安全管理措置を支援し、基本クエリを用意することで、非エンジニアでも分析を可能にする機能である「Interoperable DCR」だ。
3つ目は、分析結果に基づき、目的に応じた広告やCRMの施策実施を支援する機能「Intelligent Activation」だ。

これらの機能により、顧客は企業グループ内や他企業間に加え、電通がアライアンスを構築したデータホルダーや、プラットフォーム企業とのデータ連携に加え、広告施策やCRMを効率化することが可能となる。
なお、「TSG」は、Snowflake社のマルチクラウド対応のプラットフォーム上に構築されていることから、顧客は自社環境内で1st Partyデータを管理・連携・分析することができる。
今後は、対応クラウドの拡大に加え、Snowflakeが提供する主要AIソリューションを活用することで「TSG」を強化していくほか、グローバル各市場への展開も進目ていくとしている。
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