東プレ株式会社は、ウイングアーク1st株式会社のBIダッシュボード「MotionBoard」の在庫適正化ソリューションを導入し、稼働開始から1年で在庫金額を30%削減したことを発表した。
東プレは、プレス関連部品や空調機器関連製品などを製造・開発するメーカだ。
東プレの空調機器部が扱う製品は多品種小ロット生産であり、材料・部品点数は約3万品目、実在庫だけでも1万5,000品目におよぶ。
各製品の販売数量の変動も大きいため、在庫を適切に保つのが難しく、欠品を防ぐために過剰在庫を抱える傾向にあった。
在庫調整のための判断基準がないことに加え、従来は、生産管理システムから実績データを1つずつ抽出し、Excelで分析・可視化して在庫調整を行っており、多くの手間と時間を要していた。
そこで今回、「MotionBoard」の在庫適正化ソリューションが採用。データの見せ方をカスタマイズできる柔軟性や、生産プロセスの改善に役立つ分析スキーム、データ分析の活用の幅の広さなどが決め手になったのだという。
在庫適正化ソリューションのテンプレートで構築したダッシュボードでは、材料・部品などの在庫状況が、滞留期間ごとに色分けされて表示され、特定の材料・部品を選択するとその在庫の状況、動きが詳細に確認できる。
これにより、従来は担当者の経験に依存する傾向にある「安全在庫の理論値」を「MotionBoard」の在庫適正化ソリューションのテンプレートで算出し、その理論値を参考に生産管理システムのパラメータを調整する。

さらに、実際の在庫数がこの設定値を下回ったときに適量の発注をかけ、在庫数が「安全在庫」を下回らないようコントロールすることが可能になった。
そして、安全在庫の調整、仕入れ先との納期の調整、長期滞留品の廃棄などの改善に取り組んだ結果、1年間で在庫金額を30%削減することを実現したのだという。
加えて東プレは、在庫適正化テンプレートとAIを連携させ、出荷数のパターン検知を行い、在庫切れのリスクの高い材料・部品を「MotionBoard」の画面上で表示する仕組みを導入。これにより、人手による作業の省力化をはかり、月間40時間の削減を見込んでいるとしている。
今後東プレは、在庫金額のさらなる10%削減を目指すとともに、この取り組みを生産管理部門だけでなく、様々な部門への展開を検討しているとのことだ。
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