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トヨタ情報システム愛知、生成AI活用で属人化した技術伝承を自動化し開発レビュー待ち時間を短縮 

トヨタ情報システム愛知株式会社(以下、TISA)は、株式会社ナレッジコミュニケーションの法人向け生成AIチャットボット「ナレコムAI Chatbot」を導入し、開発プロセスを効率化したと発表した。

TISAは、ATグループの情報システム開発・運用を担っており、大規模なプロダクト開発において、属人化した技術継承とレビュー工数の増大という課題に直面していた。

具体的には、開発組織の拡大に伴い、コーディング規約やSQL規約などのドキュメントが現行の運用と乖離し、ベテラン社員による「口伝(くでん)」でのノウハウ継承に依存する体制となっていた。

この結果、新人への教育品質にばらつきが生じるだけでなく、有識者がレビュー対応に追われ、レビュイー(レビューを受ける側)にはフィードバック待ちとして半日から1日程度の「アイドルタイム」が発生していた。

そこで今回、ナレッジコミュニケーションが開発した独自の変換ツールを活用し、過去に蓄積された膨大な業務ドキュメント(Excel、PDF形式)を、AIが理解しやすいMarkdown形式へ変換してナレッジベース化した上で、「ナレコムAI Chatbot」を導入した。

これにより、セキュリティレベルの高いAzure OpenAI環境下で、自社の開発規約を学習した「AIメンター」を構築することに成功した。

2025年4月から実施された開発チームの一部メンバーを対象にした検証では、従来人間が行っていた命名規則や改行ルールのチェックといった定型的なレビューをAIが代替することで、レビュー待ち時間が短縮された。

開発者はコードをチャットボットに貼り付けることで即時フィードバックを得られるため、アイドルタイムが解消されただけでなく、教育担当者の解釈に依存しない標準化された指導が可能となった。

トヨタ情報システム愛知、生成AI活用で属人化した技術伝承を自動化し開発レビュー待ち時間を短縮 
導入効果の概要図

今後TISAは、ソースコードのレビューにとどまらず、上流工程である設計書とコードの整合性チェックやテスト工程へのAI活用拡大を計画している。

また、AIからのフィードバックを分析することで、形骸化したドキュメントを洗い出し、規約そのものを最新化する運用改善サイクルを確立する方針だ。

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