東芝デジタルソリューションズ、外観検査AIの「過検出」を抑制する新バージョンを提供開始

製造業の外観検査工程では、自動化が進む一方で、不良品の見逃しを完全に防ぐために、判定基準(閾値)を厳しく設定せざるを得ないという構造的な課題がある。

これにより、本来は問題のない良品を不良品と誤判定してしまう「過検出」が頻発し、目視による再検査の工数増大や、オペレーターの業務負荷による判定のばらつきが生産効率のボトルネックとなっていた。

こうした中、東芝デジタルソリューションズ株式会社は、同社が提供する外観検査自動化ソリューション「Meister Apps AI画像自動検査パッケージ」の新バージョンの提供を、2025年12月18日より開始した。

「Meister Apps AI画像自動検査パッケージ」は、外観検査工程を、欠陥の見逃しと過検出の抑制を両立する良品学習方式のAIにより自動化するソリューションだ。

今回の新バージョンでは、特許出願中の新技術「欠陥判定最適化手法」が新たに実装された。これは、従来のAIによる「良品学習機能」に加え、検出された欠陥画像の位置や輝度のばらつきといった特徴量を解析・補正し、その特徴に基づいて分類を行う仕組みである。

これにより、欠陥のパターンごとに最適な良品判定の閾値を個別に設定することができ、従来は一律の基準で判定していたために生じていた過検出を抑制することが可能となった。

東芝デジタルソリューションズ、外観検査AIの「過検出」を抑制する新バージョンを提供開始
欠陥判定最適化手法のイメージ

同社は、素材、医薬品、自動車部品、電子部品など、微細な品質管理が求められる幅広い業界での適用を見込んでいる。

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