生成AIが急速に普及するなか、GPUを搭載した高発熱・高消費電力サーバの導入が進み、データセンタの電力需要は世界的に拡大している。
ラックあたりの消費電力は従来水準を大幅に上回っており、冷却方式や電源設計といったインフラ面で大きな転換期を迎えている。
しかし、大規模データセンタの新設には用地確保や電力供給、長期間にわたる建設工事といった課題があり、急増するAI需要への迅速な対応が困難となっていた。
一方で、製造業や研究機関などでは、データの即時処理やセキュリティ確保の観点から、現場ごとに処理を行うエッジコンピューティングなど、分散型デジタルインフラの採用が広がりを見せている。
こうした中、株式会社インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)と河村電器産業株式会社は、高密度GPUサーバ対応のモジュール型エッジデータセンタ「DX edge Cool Cube」を共同開発し、2026年3月17日より販売を開始したと発表した。
「DX edge Cool Cube」は、電源供給、冷却システム、ラックが一体化した完結型のオンプレミスAI基盤だ。
高発熱なGPUサーバを含むAIワークロードに最適化されており、1モジュールあたり20kW以上の電力供給能力と高効率冷却機構を備えている。
これにより、クラウドに依存せず、生成AIや推論処理のデータを自社環境内で完結させるプライベートAIの実行基盤として利用することが可能だ。
また、電気設備やIT機器などの各モジュールを組み合わせて、需要に応じて1ラックから導入可能であり、GPUの増設や拠点追加にも柔軟に対応する。

最大の特長は、受電キュービクル筐体を活用したモジュール構造を採用している点だ。新たにデータセンタ建屋を建設する必要がなく屋内外のどちらにも設置できるため、現地での設計や施工を最小限に抑えられる。
これにより、ビル型やコンテナデータセンタと比べて効率的な投資が可能となり、短期間でのAI基盤立ち上げを実現する。
ユースケースとしては、余剰電力を活用する分散型AIデータセンタや、機密性の高いデータを外部に出さずに運用する製造業・医療機関向けのソブリンAI基盤、さらにはリアルタイム性が求められる自動運転やスマートシティ分野におけるエッジAIとしての活用が想定されている。
両社は今後、地域分散型データセンタの展開および再生可能エネルギーの活用モデルの構築を推進するとともに、現行の実証から得られた知見に基づき、国内外における分散型デジタルインフラの実装を一層促進していく方針だ。
なお、2026年3月24日~25日に開催される展示会「Data Center Japan 2026 」のIIJ・河村電器産業 共同ブースにおいて、「DX edge Cool Cube」の実機が展示されるとのことだ。
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