日本精機株式会社は、自動車部品のTier1サプライヤだ。自動車メーカからの多様かつ頻繁な需要変動に対応しながら、納期の遵守と在庫の最適化を両立することが求められる。
しかし従来は、部品表が基幹情報として管理される一方で、一部の需要や在庫、発注情報が分散して管理されており、情報の分断が発生していた。
これにより、データの突合や更新に多大な工数を要し、計画立案が担当者の経験や勘に依存する属人的な運用となっていたため、情報把握の遅れや意思決定のばらつき、さらには過剰在庫のリスクを生じさせる原因となっていた。
こうした中、日本精機は、Kinaxis Inc.のAI搭載プラットフォーム「Kinaxis Maestro」を採用し、需要・供給・生産計画を横断的に可視化する新たなサプライチェーン基盤の運用を開始したと発表した。
同ソリューションは、中長期の需要情報を一元的に管理し、部品表と需要情報を連携させることで、需給全体を見据えた正確かつ迅速な意思決定を支援するシステムだ。
導入効果としては、情報の統合とAIを活用した高速なシミュレーションによる大幅な業務効率化、意思決定プロセスの標準化が挙げられている。
具体的には、分散していた情報を一元的に可視化することで、新機種部品の供給に関する計画策定業務において、従来は年間1,065時間を要していた作業を75時間へと劇的に削減することに成功した。
また、生産終了となるEOL(End of Life)部品の対応においても、年間1,248時間かかっていた工数を120時間まで圧縮し、需要変動に対応するための現場の業務負荷を大幅に軽減している。
システム上で複数のシナリオを迅速に比較検討できるようになったことで、これまで個別の経験に依存していた意思決定プロセスが標準化され、包括的な部品発注の最適化が実現された。
日本精機のDX・システム企画部シニアマネジャーである北原肇氏は、「システム導入と利用プロセスの刷新により需給全体を踏まえた高度な判断が可能となった。今後は対象範囲の拡大とともに、海外拠点への展開も検討していく」という計画を明らかにしている。

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