NEC、AIを活用したサステナビリティ情報開示支援サービスを開発しSSBJ対応業務を約900時間効率化

環境問題への関心が高まる中、2027年3月期より時価総額3兆円以上の大企業を対象に、サステナビリティ開示基準(SSBJ基準)に基づく有価証券報告書への気候関連情報の記載が義務付けられる予定だ。

しかし、数百ページに及ぶ基準や1,300ページを超える関連文書の読み解きをはじめ、社内外の情報収集や事実確認には膨大な労力が必要であり、多くの企業において担当者の業務負荷増大が課題となっていた。

こうした中、日本電気株式会社(以下、NEC)は2026年6月4日、AIを活用してサステナビリティ情報開示の業務プロセスを効率化する取り組みを自社で実証し、広く他社へ提供する準備が整ったと発表した。

同サービスは、SSBJ基準の要求事項に関する独自の知見を学習させた複数の専門AIが、情報収集から執筆、ファクトチェックまでの各プロセスを分担して実行し、経験の浅い担当者でも高精度な報告書を自動作成できるシステムだ。

具体的には、SSBJ基準の要求事項のポイントを約80項目に細分化した独自ノウハウをAIに組み込むことで、一般的な生成AIが抱える精度の課題を克服している。

「SSBJ基準判定AI」を基点に、自社情報を集める「情報収集AI」、競合情報に詳しい「他社事例参照AI」、さらには「執筆AI」と「ファクトチェックAI」といった役割の異なるAIが適材適所で連携する。

これにより、資料の読み込みや打ち合わせなどを含めた対象業務の93%を削減し、時間に換算して約900時間の効率化を実現した。

また、社内の実証で経験が浅いメンバーでも使いこなせることが確認されており、2025年度有価証券報告書の一部では既に活用。2026年度にはさらに使用範囲を広げる予定だ。

NEC、AIを活用したサステナビリティ情報開示支援サービスを開発しSSBJ対応業務を約900時間効率化
同システムによる効果

NECは今後、SSBJ基準の対応にとどまらず、ビジネス活動と自然環境の関わりを示すTNFDレポートや、CDPの調査回答など、多岐にわたるサステナビリティ情報の開示データを統合する包括的なサービスの提供も視野に入れている。

同社は今回の取り組みを通じて、企業が報告書作成にかかるプレッシャーや労力を削減し、サステナビリティに関する本質的な取り組みにリソースを集中できるよう支援していく方針だ。