食品製造において、異物混入の防止は極めて重要な品質課題だ。特に原材料受け入れ工程では、透明なプラスチック片など、目視では判別が難しい異物が存在する。
異物混入チェックにカラーカメラを使用するケースもあるが、原料と異物の色や形状が類似している場合に検出が難しく、人による検査においても作業負担や見落としのリスクが課題となっていた。
こうした中、株式会社ニチレイフーズは、フードディフェンスの観点から、プラスチック製品など異物混入の原因となり得る物品の持ち込みを制限し、リスク低減に努めてきた。
一方で、さらなる品質保証レベルの向上と異物混入リスクの低減に向け、機器による新たな検出手法の導入を検討してきた。
そして今回、原材料受け入れ工程における異物検査の高度化を目的に、分光カメラとAI技術を活用した検査装置を開発し、船橋工場に導入され、2026年8月から稼働を開始したと発表した。
この装置は、コンベア上で流れる原材料を連続的に検査し、異物を検知する機構を備えている。
「見る部分」には、ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社がコンセプトを提案した普及型分光カメラを採用。同カメラは、同社が開発した短波長赤外(SWIR: Short-Wavelength InfraRed)領域の光をとらえるSWIRイメージセンサと、同センサに最適化された市販のマルチバンドフィルタを組み合わせたものだ。
4つの異なる波長帯の情報を用いて対象物を識別することで、従来のカラーカメラでは識別が難しかった透明樹脂についても検出が可能となる。

また、「判断する・検知する部分」には、ニチレイフーズの画像処理技術に加え、農産物や食品向けAI画像処理を得意とするシブヤ精機株式会社の装置を活用している。
これらをニチレイフーズ独自のAI・画像処理技術を組み合わせることで、「原料と類似した色・形状の異物の判別」「検査精度の安定化」「実運用に耐える判定性能の確保」を実現する。
これにより、原材料受け入れ工程における異物検査精度を向上させることで、「検査工程の自動化・省人化」「検査品質の均一化(ばらつきの低減)」「従業員の負担軽減」を目指す。

なお、同装置は船橋工場での運用を皮切りに、今後、他工場への展開も視野に入れているとのことだ。
また、今回の取り組みで得られた技術知見をもとに、さらなる異物検知精度の向上や対象領域の拡大を図る計画だ。

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