NECは、企業向けのSDN事業を強化し、導入・運用負担を軽減する製品・サービスの提供や中堅・中小企業向け市場への注力、またインフラシステム構築事業者との連携強化によるSDN活用領域の拡大などを行う。
NECが持つ豊富な導入実績で培ったSDN構築やネットワーク運用のノウハウを元にした「新マネージドWANサービス」など、導入・運用コストを軽減化するネットワークサービスメニューを順次提供する。また、中堅・中小企業ユーザへの導入促進を目的に、従来の同社SDN対応製品(コントローラとスイッチ)で構成した場合(注1)と比較し、約1/10の低コストで構築が可能なコントローラとスイッチの投入や、販売パートナーの販売・設計・構築・運用面をサポートする「SDNサポートセンター」の新設を行う。
さらに、工場や店舗などオフィスではない”現場”でのSDN活用を促進するため、これらの現場に強いインフラシステムの設計・構築事業者との連携を強化するという。
IoTの急激な普及に伴い、ネットワークにおいては、接続されるデバイス数の増加や通信量の増減に柔軟に対応できる運用性の確保や、セキュリティリスクが増加することへの対応が大きな課題になっている。これらを解決する手法として、高度な運用性・拡張性と高いセキュリティ性能を併せ持つSDN技術が注目されている。
これまで、大手企業のLANを中心に導入されてきたSDN技術だが、IoT時代では企業の規模に関係なく、SDNの導入が加速していく。今回の強化では、サービスや製品ラインアップの強化、また販売パートナーやインフラシステムの設計・構築事業者との連携の強化を通じ、企業向けSDNの豊富な稼働実績による構築ノウハウを活用し、導入・運用コストを軽減したい中堅・中小企業など”より手軽に、素早く”利用したい市場と、工場や店舗などの”現場”におけるシステムに付加価値を求める市場に対し、SDN活用領域を拡大していくものだという。
- SDN市場拡大に向けた施策
- ネットワーク全体の運用管理を支援するサービスメニューを強化
SDNの導入を容易にするため、初期導入コストの低減やネットワーク運用管理の負荷軽減を実現するサービスメニューの強化を順次行う。回線・機器の提供からネットワークの監視・保守までをサービスとして一括提供するNECのマネージドWANサービス(注2)に新たにSDN運用支援(WAN)をメニューとして加え、企業ネットワークの柔軟性・利便性・即効性を向上させた「新マネージドWANサービス」などを提供する。 [新たな提供サービスメニュー内容]サービスメニュー 概要 時期 WAN SDN運用支援
(WAN)SDN(WAN)コントローラを含めたSDN運用をサービス提供 2017年3月~
順次リリース新マネージドWAN
サービス「SDN運用支援(WAN)」に加え、回線・機器~監視・保守までを一括提供 Add-on トラフィック可視化 アプリケーションレベルのネットワークトラフィックを可視化 2017年3月~
順次リリースネットワーク分析 ネットワークのトラフィックトレンドからサイレント障害や障害予兆を検知 ※費用は個別見積り
- SDN製品ラインアップの強化
中堅・中小企業のユーザが導入しやすいよう、SDNコントローラとSDN対応スイッチのラインアップ強化を2月28日から実施。これらの製品により、導入時の最小構成価格を従来比約1/10に抑えた。新規導入に加え、既存のSDNスイッチ(UNIVERGE QXシリーズ(注3))で構成されているネットワークにも追加導入が可能なため、既存資産を活かしてSDNを構築できる。 [SDNコントローラ 新製品]製品名 標準価格(税別 販売開始時期 UNIVERGE SDN Controller Lite
型番:UL4325-N0U
(ソフトウェアによる提供)50,000円~ 2017年2月28日 - 販売パートナーとの連携強化
中堅・中小企業のユーザにも安心・安全なSDN環境を提供するため、販売パートナーを支援する「SDNサポートセンター」を新設。同センターを通じ、SDNに関する技術情報の提供や客先提案の支援、システム構築の支援などを実施し、販売パートナー企業におけるSDNの設計・構築・運用をサポートする。 [SDNサポートセンターが提供する販売パートナー向けサポート内容]技術情報提供 - 技術情報提供Webサイト公開
製品情報(製品マニュアル)
販促・提案支援情報
技術支援情報 - SDN教育の実施
- テクニカルアシスタンスセンターの設置
製品に関する技術問い合わせ
構築時のトラブル対応
客先提案 - 特定業種ごとの提案ツールの提供
- NEC各支社にて提案/同行/構築支援
- NECによるシステムデザインレビュー実施
システム構築 - 特定業種ごとのSDNテンプレートの開発/提供
- 事前現地調整サービスの提供
- 技術情報提供Webサイト公開
- ネットワーク全体の運用管理を支援するサービスメニューを強化
- インフラシステム設計・構築事業者との連携強化
工場や店舗などの現場におけるインフラシステムの設計や構築に強みを持つ企業と、SDNに強みを持つNECが業種を越えて連携し、仮説検証を通じた共創活動を推進することで、SDNを付加価値とした新たな現場ソリューションを創出・提供する。
(注1) 同社従来製品(コントローラ UNIVERGE PF6800 ベーシックを2台、スイッチPF5240F-48T4XW-A-Nを2台)で構成した場合との比較
(注2) NECのマネージドWANサービス
(注3) UNIVERGEQX-S3100シリーズ、QX-S3300シリーズ、QX-S4000シリーズに対応。UNIVERGE QX-S1000シリーズには、2017年6月対応予定。全シリーズ(QX-S1000以上のギガビットL2 Edgeスイッチ相当)への対応は、2017年度中を予定。
【関連リンク】
・日本電気(NEC)
無料メルマガ会員に登録しませんか?

IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。