外洋を航行する外航船に搭載されたエンジンの管理業務は船内乗組員が衛星通信を介して船舶管理会社と連携して行われているが、近年は乗組員の乗船期間の短縮、環境規制による船内機器の複雑化などにより、エンジンの管理水準の質を保つことがこれまで以上に難しくなっている。
そのような中、ヤンマー株式会社のグループ会社であるヤンマーエンジニアリング株式会社は、AI/ICT技術で外航船に搭載されたディーゼル補機関の管理業務をサポートする情報支援サービス「SHIPSWEB」の提供を2019年11月より開始する。
SHIPSWEBの主な特長は以下の通り。
- チャットボットによる技術問合せ対応
- エンジン性能診断、部品摩耗予測(部品摩耗予測はスタンダード版でのみ提供)
- 技術資料の検索支援
- 船内メンテナンスサポート
顧客からの技術的な質問に、オンラインでチャットボットが対応する。今後は、現在ヤンマーが保有しているノウハウに加え、日々蓄積された情報からAIによる解析を行い、精度の向上を図る。
様々なフォーマットから必要なデータを自動で抽出する機能を有しており、船内でエンジン性能管理時の計測データや摩耗計測データを記録した媒体(紙、Excelなど)を顧客がシステム上にアップロードすることで、エンジンや部品の状態を分析しリスクの特定と評価、部品の摩耗予測を行う。スタンダード版のエンジン性能診断では、さらに詳細な診断を行う。
検索ワードに関連づいた技術情報をネットワークグラフとして表示する検索補助機能を有しており、取扱説明書やサービスニュースなどのエンジン管理に必要な資料を俯瞰して検索できる機能を提供する。
エンジンごとの日常管理データやメンテナンス履歴をもとに、各部位のメンテナンス推奨時期を分析し、通知する。また、経験を有するエンジニアのノウハウをまとめた手順書を提供し、顧客の日常管理をサポートする。
なお、SHIPSWEBの月額利用料は、ライト版は2,000円/隻、スタンダード版は5,000円/隻である。
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