近年、細菌やウィルス感染からの予防策として手洗いの有効性が注目されている。また、食品業界では2020年6月に施行された食品衛生法の改正によりHACCP(※)に沿った衛生管理が義務化され、正しい手洗いの実施を含む、食の安全性を確保するための体制づくりが急務となっている。
株式会社コンテックは、AI技術を活用して3Dカメラからのリアルタイム映像情報から正しい手洗い動作を95%以上の精度で判定する技術を開発した。
同技術は、厚生労働省が推奨する「正しい手の洗い方 6ステップ」における各洗浄ステップが正しい動作で必要時間洗浄されたかどうかを95%以上の精度で判定することができる。消毒液やハンドソープを付けての手洗いや流水状態での手洗いなど、通常の画像処理では難しい状態でも認識して判定する技術を確立した。
同技術により手洗いの実施漏れ防止や監視員の工数削減など、飲食店、食品工場、医療現場などの現場における課題を解決するとともに、食の安全確保や感染症予防に貢献する。
また、実証実験を通じて、同技術を利用して以下のような導入シナリオでの実証実験に取り組み、価値創出と社会課題の解決を目指す共創フィールドパートナーの募集を開始した。ソフトウェア、AIエッジコンピュータ他の機器、管理用パソコンなど、実証実験に必要なシステム構成を支援するとしている。
- 食品工場・医療現場・飲食店・宿泊施設の衛生管理システム
- 顔認識技術を組み合わせた衛生管理記録システム
- 正しい手洗いを促すガイダンス表示付きシステム
- 基幹情報システムと連携した総合システム
厨房や工場内の手洗い設備を厚生労働省推奨「正しい手の洗い方 6ステップ」の衛生管理設備にアップグレードできる。自動判定により、指導や監視など運用コストを低減する。
手洗いスペースに顔認識用カメラを設置することで、手洗いをした人の識別が可能である。HACCPに沿った衛生管理記録も可能だ。
手洗いスペースに設置したディスプレイから正しい手洗いを促すガイダンス動画を表示することができる。従業員や学校教育における正しい手洗い手順の学習ツールとして活用できる。
勤怠管理システム、品質管理システム、製造実行システムなどの基幹システムとの連携も可能である。
※ HACCP:食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようする衛生管理の手法。
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