株式会社日立製作所(以下、日立)は名古屋鉄道株式会社(以下、名鉄)とともに、名鉄グループの情報システム会社である株式会社メイテツコムにおける社内文書の有効活用による業務効率化に向け、生成AIを活用した技術検証を行った。
この検証は、管理業務における業務効率化を目指し、2023年10月から12月までの期間中に名鉄とメイテツコムとの協力のもと進められたものだ。
具体的には、名鉄とメイテツコムの業務の中で優先度の高いものから生成AI活用の効果が見込まれる、名鉄の社内報や社史情報検索を効率化するユースケースと、過去のヒヤリハット情報を踏まえた安全な業務遂行・対策の検討を支援するユースケースについて、日立が準備したデモ環境で実際に生成AIを活用したうえで評価・検証を行った。
日立のデータサイエンティストが、形式の異なる文書ごとにデータの取り込みを工夫するとともに、余分なノイズを落とすなど適切な前処理を行い、知識データベースを作成。加えて、入力された質問に対して、知識データベースから適切な文章が抽出できるように、基準となる検索手法の選択や生成AIが回答しやすい指示に言い換えるなどプロンプトエンジニアリングを組み込む技術支援を行った。
これにより、質問者の問い合わせに応じた一定のレベルの回答が生成AIから得られることが分った。
業務に合わせた知識データベースを作成したことで、社内報や社史の情報検索のユースケースでは、スキャンデータや縦・横が混在するテキストデータなど形式の異なる資料でも、適切に要点を抽出して一定のレベルの回答が得られた。
また、ヒヤリハットのユースケースについても、十数万件分のデータを統合することで、単一データだけでは得られない包括的な回答が可能となり、業務経験の浅い方でも重要なインサイトを得られる可能性も明らかになったのだという。
名鉄とメイテツコムは今後、他の業務への生成AIの適用も引き続き検討する予定だ。
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