Snowflake、ニュース・調査・市場データを提供する主要企業のAI対応データとエージェント型製品を提供開始

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Snowflakeは、同社の年次ユーザカンファレンス「Snowflake Summit 2025」において、エンタープライズ全体でのエージェント型AI(以下、Agentic AI)の導入と活用を推進する新製品群を発表した。

注目すべきは、Snowflakeマーケットプレイス上で提供される「Cortex Knowledge Extensions」と「セマンティックモデルの共有」機能だ。これらはAIアプリケーションやエージェントが、リアルタイムの外部コンテンツや構造化データのビジネスコンテキストを深く理解し、より高精度なインテリジェンスを提供するための機能だ。

近日中に一般提供が開始される「Cortex Knowledge Extensions」は、サードパーティプロバイダが所有する非構造化データを、AIアプリやエージェントが安全かつ容易に活用できるようにする仕組みだ。

USA TODAY Network、The Associated Press、Stack Overflow、CB Insightsなどが提供するリアルタイムのニュース記事、専門知識、調査レポートといったコンテンツに、Snowflakeマーケットプレイスを通じてアクセス可能になる。

仕組みは、検索拡張生成(RAG)を通じてコンテンツへのアクセスのみを許容し、SnowflakeのゼロETL共有を基盤としている。

これにより、コンテンツプロバイダは知的財産を保護しつつ、ライセンス条件に基づいた収益化が可能となり、企業はAIの出力精度と有用性を向上させることができるほか、出典表示も明確に行われるため、信頼性も確保される。

例えば、The Associated Pressから厳選されたビジネス記事やコンテンツにより、AIシステムから得られる結果の有用性をさらに向上させることができる。

USA TODAYおよびUSA TODAY Networkからのリアルタイムのニュースやコンテンツをはじめ、CB Insights、Packt、Stack Overflowなどのサードパーティが提供するコンテンツも「Cortex Knowledge Extensions」を通じて利用できるとのことだ。

コンテンツ権利者や発行者は適切な報酬を受け取ることができ、企業はライセンスされた専有の情報をAIアプリで活用することができる。

なお、検索拡張生成(RAG)を通じてコンテンツへのアクセスのみを許容しているため、コンテンツ所有者やパブリッシャーはいつでも自社コンテンツへのアクセスを無効化することが可能だ。さらに、コンテンツは明確な出典表示および出典元へのリンクとともに表示される。

一方、セマンティックモデルは、構造化データおよび関連のビジネス概念の定義や理解を大規模言語モデルに提供し、ユーザが自然言語で質問し、意味のある回答を得られるようにするものだ。

今回セマンティックモデルが共有できるようになったことで、インターナルマーケットプレイスで社内チームが提供するセマンティックモデルおよび、CARTO、CB Insights、Cotality powered by Bobsled、Deutsche Börse、IPinfo、truestarといったサードパーティプロバイダのAI対応構造化データを、Snowflake Cortex AIアプリやエージェントに統合することが可能となった。

また、ユーザはセマンティックモデルの共有により、Cortex Analyst、Cortex Agents、Snowflake IntelligenceといったCortex AI内のAIアプリやエージェントの中で、直接データと対話することが可能となる。

加えてSnowflakeは、Snowflakeマーケットプレイス上で「エージェント型ネイティブアプリ」の提供を開始した。

「エージェント型ネイティブアプリ」は、顧客やプロバイダのデータを活用して単独でエージェント体験を提供したり、Cortex Agents上やSnowflake Intelligence内で構築するエージェント型アプリの構成要素として利用できるようにする双方向のエージェント型製品だ。

これにより、プロバイダは自社のエージェント型ネイティブアプリを構築し、Snowflakeマーケットプレイスで提供して収益化することができ、コンシューマはこれらのアプリを検索・インストール・購入し、Snowflake内のデータと連携させることが可能となる。

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AIの精度と信頼性を確保するための重要なステップは、構造化された表形式データのセマンティックモデルを生成することです。セマンティックモデルは構造化データおよび関連のビジネス概念の定義や理解を大規模言語モデルに提供し、ユーザーが自然言語で質問し、意味のある回答を得られるようにします。

セマンティックモデルの共有により、企業はインターナルマーケットプレイスで社内チームが提供するセマンティックモデル、またはSnowflakeマーケットプレイスでサードパーティプロバイダーが提供するセマンティックモデルとともに、データの共有やアクセスを容易に行うことができます。共有された定義に照らして社内データをマッピングすることで、より一貫性のある意思決定やインサイト創出までの時間短縮を図ることができます。これにより、ビジネス部門はデータエンジニアやデータサイエンティストの空き状況にかかわらず、レポートを作成し、アドホッククエリが実行可能になります。Snowflakeマーケットプレイスで提供されるCortex AI対応データ製品により、企業は業界標準のインテリジェンスを活用することができます。

セマンティックモデルの共有により、セマンティックモデルの作成に費やす時間と労力を削減するとともに、AIシステムが正確で質の高い、文脈に即した応答を生成できるようにします。そしてユーザーはセマンティックモデルの共有により、Cortex Analyst、Cortex Agents、Snowflake IntelligenceといったCortex AI内のAIアプリやエージェントの中で直接データと対話することが可能となります。

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