ビジネスにおけるAI活用が加速する一方で、2025年から段階的に施行されているEUの「AI法(EU AI Act)」や日本の新法など、AIに関する法規制は世界各国で複雑化している。
企業がグローバルにサービスを展開する上で、これら多岐にわたる規制の把握と遵守(AIガバナンス)は避けて通れない課題だが、専門人材の不足や調査にかかる膨大な工数がボトルネックとなっていた。
こうした中、デロイト トーマツ グループの合同会社デロイト トーマツは、AIサービスに関連する規制情報の調査・分析を自動化する「AIエージェント」を独自開発し、同社の規制対応支援サービスを強化したと発表した。
今回開発されたAIエージェントは、インターネット上に存在する国内外の数百に及ぶAI規制やガイドラインを対象に、自律的に情報の収集と分析を行うシステムだ。
単なるキーワード検索ではなく、調査対象となるAIサービスの「機能」や「用途」を理解した上でリスク判定を行う。
ユーザがAIサービスの機能要件を入力することで、AIエージェントがWEB検索を通じて関連する最新の規制情報を収集する。
最終的には、デロイト トーマツの専門家がレビューを行い、情報の補完・修正を加えるというコンサルティングサービスを提供している。

さらに、そのサービスが遵守すべき事項を特定し、具体的な対応策の提案までを自動で行う。

なお、同システムには、デロイト トーマツが培ってきたAIガバナンスの専門知見がアルゴリズムとして組み込まれている。1回の調査につき100回以上の情報取得とレビュープロセスを自律的に繰り返すことで、情報の網羅性と正確性を高めることに成功したのだという。
これにより、デロイト トーマツの専門家専門家が約1週間かけて行っていた初期調査と評価プロセスを同システムは約30分で完了させ、その時点での診断精度は専門家による評価の約8割に達しているとのことだ。
さらに、専門家によるフィードバックログをAIエージェントに与えることで、頻出機能に対する回答精度の強化など、継続的な精度改善も見込まれている。
今後デロイト トーマツは、自動車、医療、IT、製造など幅広い業界に対し、同サービスを通じたAIリスク評価やガバナンス体制の構築支援を展開するとしている。
また、今後はAI規制にとどまらず、同社が擁する多様な専門家と連携し、事業活動に関わるあらゆる法規制の調査・対応を自動化するプラットフォームへと機能を拡張していく方針だ。
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