三菱電機、AI同士の「対立議論」で最適解を導くマルチAIエージェント技術を開発

企業のDX推進において、生産計画の立案やセキュリティリスク評価といった業務は、相反する条件(トレードオフ)を考慮する必要があり、高度な専門知識を持つ熟練者に依存しているのが現状だ。

こうした業務へのAI適用も進められているが、従来のAIは判断の根拠がブラックボックス化しやすく、重要な経営判断における信頼性の確保が課題となっていた。

こうした中、三菱電機株式会社は、複数のAIエージェントが互いに議論を行うことで、専門家レベルの結論を導き出す「マルチAIエージェント技術」を開発したと発表した。

同技術では、画像生成などで用いられる「GAN(敵対的生成ネットワーク)」の概念を、AIエージェント間の議論に応用している。

従来のマルチエージェントシステムは、エージェント同士が協調してタスクを分担するのが一般的であったが、今回開発された技術では、システムが議題に応じて仮想の「専門家AIエージェント」を自動生成し、意図的に「対立関係」を構築する。

具体的には、あるエージェントの主張に対し、別のエージェントが異なる視点から反論や補強を行うよう、ファシリテータ役のAIが制御する。あえてAI同士を競わせることで、人間が議論する際のように多角的な検討を促し、単独のAIでは到達できない深い洞察や本質的な課題の発見を可能にしている。

三菱電機、AI同士の「対立議論」で最適解を導くマルチAIエージェント技術を開発
従来技術との議論過程の比較

また、意思決定の透明性に関しても配慮されている。AIエージェントは、Web検索や社内ドキュメントから抽出した知識を基に議論を行うが、その際、結論に至った経緯や議論の履歴(ログ)が全て記録される。

ユーザは、自動生成された議事録やチャット形式の履歴を通じて、「なぜその結論になったのか」という根拠を追跡できる。

これにより、安全性やコンプライアンスが重視される業務においても、納得感のあるAI導入が可能となる。

三菱電機、AI同士の「対立議論」で最適解を導くマルチAIエージェント技術を開発
対立議論により専門家レベルの結論を導出するマルチAIエージェント技術の概要

三菱電機は今後、社内での実証実験を進め、2026年度以降の事業化を目指すとしている。

将来的には、経営判断や技術選定といった高度な業務を支援する「意思決定支援プラットフォーム」として展開し、専門人材不足の解消と業務効率化に貢献する方針だ。

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