生成AIの進化に伴い、AIエージェントが自律的にホワイトカラー業務を代替・自動化する時代が本格化しつつある。
企業が利用するSaaSにおいても、人が手作業で入力・操作する従来の仕組みから、AIが直接システムにアクセスし操作を実行できる「AIアクセシビリティ」の重要性が高まっている。
こうした中、フリー株式会社は2026年3月2日、AIエージェントから同社の各種APIを直接操作できるMCPサーバ「freee-mcp」を、オープンソースソフトウェア(OSS)として公開したと発表した。
MCP(Model Context Protocol)とは、AIアシスタントと外部ツールを接続するためのオープンプロトコルである。
今回公開された「freee-mcp」は、freeeがこれまで提供してきた会計、人事労務、請求書、工数管理、販売といった5領域にわたる約270本のAPIを網羅的にMCPツール化したものである。
同ツールの最大の特徴は、単なるAPIの連携にとどまらず、AIエージェントが業務の文脈やAPIの仕様を深く理解した上で操作を実行するための指示セット「Agent Skills」が組み込まれている点にある。
これにより、ユーザがチャット上で「請求書を作って」と自然言語で指示を出すことで、AIが取引先の登録から請求書の発行までの一連のプロセスを自律的かつ正確に完了させることが可能となる。

なお、同システムはnpmパッケージとして提供されており、Claude DesktopやClaude Code、Claude Cowork、Cursorといった主要なAIツールから利用することができる。
もともとは同社のエンジニアが個人的に開発・公開したものであったが、公式OSSとして引き継がれ、企業として継続的なメンテナンスと機能拡充を行う体制が整備された形だ。
freeeの共同創業者であり、2026年1月にCAIO(最高AI責任者)に就任した横路隆氏は、「SaaSは人が使うものではなく、AIから使われるものになってきた」と述べており、AIエコシステムとの連携を今後のSaaSにおける要件の一つとして掲げている。
同社は今後の展開として、ローカル環境へのインストールを不要とするURL接続環境の整備や、ChatGPTなどのWebプラットフォームから安全に利用できる認証基盤の拡充を計画しているのだという。
また、独自のAPI公開戦略と連動しながらAIエージェントが利用可能な機能を継続的に拡大し、多様なAI規格への対応を推進していく方針だ。
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