スマートドライブが17億円の資金調達、コネクテッドカーの新領域を切り拓く —代表取締役 北川烈氏インタビュー

設立から5年、「構想がようやく現実になってきた」

小泉: それぞれのサービスについてお聞きしてきましたが、主な収益になっているのはどの分野ですか。

北川: 既存事業である法人向けのフリートマネジメントが大きいです。ただ。物流も個人向けも、始めたばかりですが既に売り上げは立っています。

とくに個人向けの「SmartDrive Families」は、高齢者の事故の問題もあり、まだβ版ですが引き合いは多いです。

小泉: IoTビジネスでよくあるのは、データを集めることはできても、そのデータを使って何ができるかわからないということです。ですから提案する企業側も、「こんなデータがあるから使いませんか?」という提案をしてしまいがちです。

そうすると、テレマティクス保険のように、「このデータを使ってこのようなことができそうだ」と、ある程度の予測ができる場合はいいのですが、そうしたニーズが顕在化しておらず、「あったらいいな」とぼんやり思っているくらいの領域では、なかなかうまくいきません。

アップルのスマートフォンがいい例です。ひとたびできてしまえば、確かにそうだねとみな思いますが、できない限りは顕在化しなかったニーズだと思います。御社はそういうことを先取りし、次々と進めていかれるなという印象を私は持っています。

IoTの次はデータ連携や解析だとみな言うのですが、やりません。なぜなら、多くの企業がデータはまだたまっていないし、出口も見えていないからです。そういう意味では、御社は出口を意識されながら着実に進められています。

北川: ありがとうございます。構想したことがようやく現実になってきたと思っています。ラボも新たにつくり、将来的なテーマにも取り組めるような状況になってきました。

まずは2、3年、今のビジネスをしっかり伸ばしきり、並行して中長期的に弊社の技術的付加価値が創出されるような領域にも投資していきたいと考えています。

スマートドライブが17億円の資金調達、コネクテッドカーの新領域を切り拓く —代表取締役 北川烈氏インタビュー
左:株式会社アールジーン代表取締役/IoTNEWS代表 小泉耕二、右:株式会社スマートドライブ 代表取締役 北川烈氏

小泉: これだけ事業が拡がってくると直販も厳しくなってくると思います。商流において他社と連携するということもされるのでしょうか。

北川: はい。当然、視野には入れています。やはり1社だけでやるのは厳しいですから。そういう意味では、私たちは株主の企業さんとうまく連携しながら進めていきたいと思っていますし、オープンプラットフォームを目指していますので、株主ではない企業とも提携していきたいと思っています。

たとえば、アクサダイレクトさんは弊社の株主ですが、だからといって他の保険会社と協力してはいけないというわけではありません。実際に、あいおいさん(あいおいニッセイ同和損害保険)とは今年の3月に提携を公表しています。

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