フォークリフトのIoTプラットフォーム「FORKERS」、LTEモデルで本格始動 ―三井物産エレクトロニクス 丸氏インタビュー

LTEモデルの新機能とドラレコとの比較

LTEモデルの発売開始にあわせて、「FORKERS」には動画アップロード機能と動画呼び出し機能が追加された。

前回のモデルでは、センサーが「危険運転」を検知した場合のみ、その前後の動画がクラウドに自動アップロードされる仕様になっていた。

この機能に加え、LTEモデルでは、オペレータ―自らが車載器に接続されている動画アップロード用機器の「アップロードボタン」を押すことにより、その前後10秒、計20秒の動画をアップロードできる機能や(動画アップロード機能)、管理者が任意の時間の動画をクラウドから呼び出す機能も加わった(動画呼び出し機能)。

フォークリフトのIoTプラットフォーム「FORKERS」、LTEモデルで本格始動 ―三井物産エレクトロニクス 丸氏インタビュー
FORKERSとドラレコの比較(提供:MBEL)

今回のLTEモデルの発表に合わせ、FORKERSとドライブレコーダー(ドラレコ)の違いを示したのが上の表だ。丸氏は次のように説明する。

「最初の三つはドラレコには付いておらずFORKERSだけの機能です。ドラレコは、フォークリフトごとの動画は取得できますが、オペレーターの認識はしていないのでオペレーターごとのデータ集計、管理はできません。

また当然ながら、FORKERSのようなクラウド経由の全自動報告機能や、車両管理・保守メンテの機能もついていません。車両管理・保守メンテ機能は、例えば、フォークリフトの『爪』(荷物を持ち上げる部分)の長さをどれだけ変更したかなど、従来、お客様がエクセルを使って個別に管理していた車両・車種データを、FORKERSに登録し一元管理することもできますし、保守・メンテナンス情報をFORKERSに入力しておけば、次の保守メンテの日が近づいてきた時に、自動的に通知が届くようになっております。

『閾値設定』機能とは何かというと、FORKERSの場合、導入時にお客様と一緒にどのような運転を危険な運転とみなすかというセンサーの閾値を設定することが可能です。

この機能は、一部のドラレコには付いていないという認識なのでドラレコの方は△とさせて頂きました。FORKERSの場合は、導入時にお客様と一緒に設定させて頂いた後、クラウド経由で一度設定した閾値を変更することも可能です。

もう一つ重要なのは『バンプ』(地面の段差や凸凹)の誤検知を取り除く機能です。バンプによる『ガタンッ』といった縦方向の揺れを危険運転と誤認識してしまうと、オペレーターの危険運転に対する意識が低下してしまいます。FORKERSでは、バンプを危険運転として誤検知しないような工夫が盛り込まれています。

フォークリフトのIoTプラットフォーム「FORKERS」、LTEモデルで本格始動 ―三井物産エレクトロニクス 丸氏インタビュー
三井物産エレクトロニクス株式会社 ソリューション事業本部 事業本部長/FORKERS 総合プロデューサー 丸恒樹氏

安全性の向上については、ドラレコの場合、導入時は頻繁にSDカードを取りだし、オペレーターの運転のチェックを行うものの、暫くするとSDカードを取ってくるという作業が大変なため、動画を確認しなくなってしまうという話をよく聞きます。

FORKERSの場合、すべてのデータが自動報告されていつでも確認が可能ですので、より管理者に対する負荷が少なく続けられるというメリットあります。ですので、これもFORKERSの方に軍配を上げさせて頂きました。

次の普段の運転のチェックは、SDカードのドラレコの用途として、『指差し確認をきちんとしているか』、『肘をついて運転してないか』など普段のオペレーターの運転を見たいというニーズがありました。

FORKERSは、危険運転をした時に初めて動画が配信されるという仕様となっておりましたので、この用途には適さないと言われていたのですが、このほど、月に10分だったら10分と指定しておけばオペレーターの普段の運転の様子を撮った動画が自動的にFORKERSに報告されている機能を付けることとしました。

この機能が追加されることにより、管理者はSDカードを取りに行くことなく、モニターの画面上の動画アイコンをクリックするだけで、すぐに動画を見ることができるようになります。ですので、これも今は×ですが近い将来◎になるという評価をつけさせて頂きました。

最後にコストですが、これはドラレコの方が月額の使用料がかからないので安いことは変わりませんが、FORKERSも前機種の198,000円から128,000円とだいぶお求めやすくなったのと、車載機以外に無線LAN設置費用等の余分なコストがかからなくなっておりますので、控えめではありますが〇とさせて頂きました」(丸氏)

来年のロードマップとして、LTEモデルのオプション機能として、バッテリーフォークリフトのバッテリー寿命を把握し、さらにその寿命をのばすためのソリューション「ボルトマスターズ」を計画しており、これを付けるとフォークリフトのバッテリーを延ばすことができ、さらに費用対効果の説明がしやすくなるという。

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