NTTデータとeveris、スマートICU提供へ向け、医療機関と共同でICU(集中治療室)向け医療データ分析ソリューションの開発に向けた実証実験を開始。

株式会社NTTデータ、およびNTTデータのスペイン子会社であるeverisグループ(以下:エヴェリス)は、Andalusian Health Service(アンダルシアン ヘルス サービス)、Virgen del Rocio University Hospital in Seville(ヴァーゲン・デル・ロシオ大学セビリア病院)と、集中治療室(以下:ICU)向けの医療データ分析ソリューションの開発に向けた共同研究の一環として、2016年1月27日より医師らの協力のもと、医療データ分析ソリューションに関する実証実験を医療機関において開始し、ICUにおける有用性を評価する。

このソリューションは、均一かつ迅速な医療を目的に、治療手順にのっとって電子カルテやモニタリングデータ等の情報を一元化して提示することで医師のリアルタイムな意思決定をサポートするものであり、将来的には患者の症状推移の予測情報を提供することを目指している。

2017年に、エヴェリスを軸にまずはスペイン、ラテンアメリカにおいて、同ソリューションを「ehCOS注1 Smart ICU」として提供開始し、さらに、グローバルに展開しているNTTデータグループ会社を通じて、欧米諸国等へのサービス提供を目指していく。

 

【背景】

ICUにおける医療行為は、生命を脅かす重度の病気や外傷の患者を対象としているため、高度な医療機器を用いて、常時患者の容態をモニタリングしながら行われる。しかし、これら機器から得られる各種データは膨大であり、医師や看護師が、全てを把握し、データを解釈するのに多くの時間を要するケースがあった。

そこで、NTTデータとエヴェリスは、医師の意思決定の効率化や精度の改善を目的に、ICUで用いられている各種医療機器から得られる情報を一つのプラットフォームに集約して、患者の状態を示すデータとして一元化して提示したり、さらにこれらのデータを分析することで症状推移の予測情報を提供するソリューションの開発を目指し、2015年3月から医療機関と共同研究を行ってきた。

今回プロトタイプとなるシステムが完成したことから、実証実験を行い、実際の医療現場における声を反映させることで、2017年を目処に同ソリューションの完成を目指す。

 

【実証実験の概要】

同ソリューションは、ICUの医師に対し、治療に関する注意喚起情報や、その時点における症状推移の予測情報等、患者の状態や治療状況に関する情報を一元的に提供することを目指しているものであり、エヴェリスの電子カルテを中心とした病院向けソリューション「ehCOS」に、NTTデータ技術開発本部で開発を進めているビッグデータ分析ソリューションを組み合わせて開発される。

このビッグデータ分析ソリューションは、オープンソースを活用したものであり、大量のストリーミングデータに対するリアルタイムなデータ分析を可能にするものだ。

■実証実験内容
実証実験においては、プロトタイプシステムを用いて以下の内容について検証・開発を進める。

  1. 医師への治療手順伝達手法の検証

    実際のICUで、医師が的確な判断が行えるよう、治療手順やその根拠となる情報をわかりやすく医師や看護師に伝達する手法を、実際の医療現場において検証し、システムに反映させる。

  2. データ収集プラットフォームの性能検証

    ICUにおいて用いられている数十もの医療機器からの各種データを一元的に収集し、リアルタイムに分析し治療手順に反映できるよう、データ収集プラットフォームに求められる性能要件について検証を進める。

  3. 患者の症状推移の予測技術開発

    共同研究先のスペイン医療機関のICUで、これまで実際に行われてきた治療行為の記録と、各種機器から取得した患者の容態を示す各種データの相関性を分析し、機械学習技術注2を用いて患者の症状推移を予測する技術について研究開発する。

■実証実験期間
2016年1月27日~2016年3月31日

■実証実験場所
Virgen del Rocio University Hospital in Seville

 

【各者の役割】

  • NTTデータ

    ビッグデータ分析ソリューションを用いた分析基盤開発、蓄積するデータの分析の実施。

  • エヴェリス

    電子カルテを中心とした病院向けソリューション「ehCOS」のノウハウを用いたデータ連携コンポーネントの開発。医師に一元的に情報提供を可能にするアプリケーションの開発。ソリューション化に向けた、プロトタイプ開発およびPoCによる検証の実施。

  • 医療機関

    研究開発全体の監修。実際のICUにおける具体的な治療手順に関する情報の提供、および、検査結果や治療履歴などが含まれる電子カルテデータ、心拍数、血圧、血中酸素濃度といったバイタルデータの提供。プロトタイプシステムに関する医療現場での実証実験への協力。

 

【今後について】

2017年に、エヴェリスを軸にまずはスペイン、ラテンアメリカにおいて、同ソリューションを「ehCOS Smart ICU」として提供開始し、さらに、グローバルに展開しているNTTデータグループ会社を通じて、欧米諸国等へのサービス提供を目指していく。

また将来的には同ソリューションの一機能として、患者の症状推移の予測情報を提供することを目指している。

 

【関連リンク】
NTTデータ
エヴェリス

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