ラピスセミコンダクタ、Sigfoxサービスエリアを拡張する「LPWAブリッジ通信用ソフトウェア」を開発

IoTネットワークで用いられる低電力広域通信(以下、LPWA)のSigfoxは、基地局の設置が不要で他の方式と比べ、端末コストがリーズナブルなことから導入しやすいサービスとして、日本では京セラコミュニケーションシステム株式会社をオペレータとし、2017年2月のサービス開始以降、主要都市へのエリア展開がほぼ完了し、人口カバー率は90%(2018年12月3日時点)を超えている。

しかし、農地や山岳地帯などはSigfoxのサービスエリア外であることも多く、LPWAネットワークの特長を活かしたIoTシステムの導入には、こうしたエリア外での通信を補完する方法が必要であった。

こうした中、ロームグループのラピスセミコンダクタ株式会社は、SigfoxおよびIEEE802.15.4k(※1)/ IEEE802.15.4g(※2)の複数無線通信規格に対応する無線通信LSI「ML7404」を用いて、Sigfoxのサービスエリアの拡張を実現する「LPWAブリッジ通信用ソフトウェア」を開発した。

ML7404は、Sigfoxに加え、LPWA方式の一種であり、長距離伝送のみならず、同一システムの妨害波耐性が高く、反射波が多い市街地での適性を持つIEEE802.15.4k、さらに1km以下と伝送距離は短いものの、LPWAよりデータ速度の速い近距離無線方式の一種であるIEEE802.15.4gの3つの無線方式への対応を実現した無線通信LSIだ。

「LPWAブリッジ通信用ソフトウェア」は、複数の無線通信規格対応のML7404が搭載されたIoT端末やリピータ(中継機)端末に組み込むことで、IEEE802.15.4kとSigfoxの二つを使ったLPWA間のブリッジ通信を実現し、これまで課題だったSigfoxサービスエリア外からの通信が可能になる。これにより、従来のLPWAだけでは難しかった広範囲・高信頼のIoTシステムを構築できるようになる。

※1 IEEE802.15.4k:標準化を主な活動としているThe Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.(IEEE)が定める長距離無線規格の一つ。元々は、インテリジェントで電力効率の高い送受電網であるSmart Gridでの活用を主目的に規定されたもので、直接拡散方式による受信感度向上により、長距離通信を図ることを特徴とする。
※2 IEEE802.15.4g:IEEE がSmart Utility Network を主用途に想定し規格化する無線通信方式の一つ。日本では電力スマートメータの家庭内利活用を目的としたBルートやHAN(Home Area Network)としてWi-SUNの物理層として採用されている。LPWAの一方式と分類されることもあるが、一般にLPWAが見通し10km以上の伝送を目指しているのに対し、IEEE802.15.4g による方式では1km以下の伝送距離を想定することが多く、近距離無線方式の一種と分類されることが多い。

Previous

IDC、国内の産業用無線LAN機器市場は68.3%の成長率で拡大と発表

KDDIやデンソーなど、5G活用の産業用ロボット制御の実証を開始

Next