ファーウェイのテクノロジーをフル活用した5G普及アプローチ ーMWC2019バルセロナレポート3

ブース取材時に写真撮影が許可されなかったため、文書のみの記事となっています

昨年、クラウドネイティブな通信環境の構築や、End-to-endでの柔軟でインテリジェントなネットワーク環境の提供が可能となることを展示していたファーウェイだが、今年はそういった点はすでに当たり前となっていて、設備面での省スペース化やAIの効果的な活用といった、具体的な技術の使い所をアピールしているように感じた。

今回、会場内に4つのブースを出展し、年々存在感を増すファーウェイ。5G時代にイニシアチブを得るために、ファーウェイは合理的なアプローチを進めている。

ホール1の奥に構える巨大なHUAWEIのキャリア向けのネットワークブース。今回は「イノベーション」「AI」、そして「5G」という3つのテーマで構成されていた。

まず「AI」だが、これは全産業向けの汎用的なAIをアルゴリズムで、APIを公開し開発者を支援をしているのだという。

「イノベーション」について言えば、例えば、水中の4Kカメラで鮭の生態を観測し、水上の通信デバイスから高画質映像を送信するような取り組みを展示していた。この映像で鮭の成長の確認だけでなく、病気が早期に発見でき、高精度な収穫シミュレーションが可能となるのだという。

ファーウェイの全方位5G戦略

5Gへの取り組みだが、5GとLTEの違いを説明する中で、一般的な高速、低遅延、大容量という特徴以外に、「高セキュリティ」になるということが強調していた。

LTEと5Gはアーキテクチャー自体は似ているところが多いが、セキュリティ課題の部分はGSMA並びに3gppが解決のアプローチを規定し、高いセキュリティを実現する構造となっている。例えばデータは256bitで暗号化され、たとえ量子コンピューターを活用しても解読に200万年かかるレベルになるという。

※GSMA:GSM Associationの略。GSM方式の移動体通信を行う通信キャリアや関連企業からなる業界団体。
※3gpp:Third Generation Partnership Projectの略。通信仕様の検討や標準化を行うプロジェクト。

5Gについては昨年の「5G is READY」というテーマを掲げていたが、今年は「5G is ON」に変わっていた。中国でも今年の6月に商用サービスがスタートすることが決まっており、そのスタートに向けた取り組みが進んでいる。

ファーウェイの5G普及のアプローチには「Simple」「Efficiency」「Intelligence」という3つの視点があるという。

まず「Simple」という点では、それぞれの機能と目的を明確にし、ハードウェア自体の設計をシンプルにする対応を進めている。

複雑で多機能な設備機器を増やすのではなく、機器は少なくともソフトウエアを活用して用途に応じたバリエーションを用意していることが印象的だった。

アンテナとしては、屋内用の機器、屋外用の機器、街角用のアンテナ、大学用のアンテナなどが展示されていた。環境に応じた用途を想定し、機器を開発しているため、簡単にその場のニーズに対応できることが魅力だといえる。

「Efficiency」に関しては、設備整備の効率化である。

ファーウェイのブースを見ていると、多くのアンテナが同じ形状をしていた。

スペックに応じて重量は変化するが、同じ形状のアンテナであれば、設置のプロセスが変わらない。そして、25kg以下のアンテナであれば、設置が容易になっているため、1人で2時間もあれば設置が可能なのだという。

この効率化によって、韓国のLGU+では4ヶ月で1万カ所に5Gを実装したという。

最後に「Intelligence」だが、先進技術を活用したソリューションが中心になっている。例えば、複数のアンテナをスマホで撮影するだけで、それらのアンテナが必要とする電源供給量がすぐにわかるようになっていたり、工事の終了時にアンテナを撮影すると、撮影した画像を画像認識し、必要な工事のプロセスが正常に完了しているかの確認ができるようになっている。

5Gのアンテナは1人でも短時間で設置できるようになっているが、ミスが無いように画像認識でカバーするという流れとなっている。

また、機器設置に関しても同様に設備の設置方法と設置機器をロケーションの画像からシミュレーション可能を行うBIM(Building Information Modeling)というシステムがある。

これを活用することで、デジタルツイン上でロケハンが可能となるのだ。「6G時代にはロボティックスの進化もあり、現場に行く必要すらなくなるのではないかと」担当者は述べた。

ファーウェイの5G普及に向けた通信キャリア向けの設備面での取り組みは、先進技術も活用していて、徹底的な効率化が進んでいるといえる。

Previous

クアルコムの5G「スマホ」の今、これから拡がる「非スマホ」の5G対応 ーMWC2019バルセロナレポート2

Armと第三者セキュリティテスト機関、IoTデバイス向けセキュリティ評価認定制度「PSA Certified」を発表

Next