矢野経済研究所、2018年のクラウド基盤サービス市場は前年比133.3%の3,200億円と推計

株式会社矢野経済研究所は、国内のクラウド基盤(IaaS/PaaS)サービス市場を調査し、市場規模推移・予測、クラウドベンダ動向、新サービス普及状況等を明らかにした。

2018年の国内クラウド基盤(IaaS/PaaS)サービス市場(事業者売上高ベース)は、2017年同様に既存システムのクラウドへの移行が市場を牽引する形で堅調に推移し、前年比133.3%の3,200億円と推計している。

クラウド基盤サービスの利用は、年商数百億円以下の中堅・中小企業においてももはや一般的となり、ユーザー企業がパブリッククラウドやプライベートクラウド、オンプレミスなどのシステム環境を組み合わせて使い分けるハイブリッドクラウドの利用も増加基調にある。

IoTやAIなどデジタルを活用して企業やビジネスに新しい価値を持たせるDXの基盤としての、クラウド基盤(IaaS/PaaS)サービス活用は、期待されたほど大きな効果を生まず、2018年は総じてPoCが中心であった。

しかし、2018年下期以降、DXに関する取組みがビジネスに実装される芽が出始めた。

DXはPaaSの拡充とともに、2019年には市場を成長させる大きな要因のひとつになると考える。

上記の理由から、本年の国内クラウド基盤(IaaS/PaaS)サービス市場(事業者売上高ベース)は、前年比131.3%の4,200億円に達する見通しだ。

今後は、ユーザー企業の基幹系システムのクラウド移行による従量(使用量)拡大なども期待される。

この点に関する一例として、SAPのERP保守サポートが2025年に終了予定という問題が挙げられる。

同ERP製品は2,000社以上の企業が導入しているとみられ、中には「SAP S/4 HANA」をAWSやMicrosoft Azure上に構築することについて検討しているユーザー企業もいる。

近年は、基幹系システムのクラウド移行事例も増加しており、今後の市場拡大要因のひとつになると考える。

基幹システムは未だオンプレミスの割合が高く、クラウド移行に伴う商談規模も大きい。

そのため、クラウドベンダ(サービス提供事業者)にとって、市場開拓のポテンシャルが非常に高いといえる。そうしたことなどから、国内クラウド基盤(IaaS/PaaS)サービス市場(事業者売上高ベース)は、2016年から2022年までのCAGR(年平均成長率)が29.3%で成長し、2022年には8,400億円になると予測している。

矢野経済研究所は、クラウド基盤(IaaS/PaaS)サービス市場は、今後も高い成長を継続していくと考える。

以下、同調査の要綱である。

調査期間: 2018年11月~2019年3月
調査対象: 国内クラウドベンダ(サービス提供事業者)、国内民間企業等
調査方法: 当社専門研究員による直接面談、電話、e-mailによるヒアリング併用、郵送による法人アンケート調査

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