IDC Japan 株式会社は、世界全体のスマートホームデバイスの出荷台数予測を発表した。最新のWorldwide Quarterly Smart Home Device Trackerによると、スマートホームデバイスの出荷台数は2019年第1四半期(1月~3月)に世界全体で1億6,860万台に達し、前年比37.3%の増加となった。この成長を牽引したのは、スマートTV、スマートスピーカー、カメラ、ドアロック、ドアベルなど、家庭におけるコネクテッドデバイスの普及だ。
スマートディスプレイを含む世界のスマートスピーカー出荷台数は、この四半期に過去最高の成長となり、総出荷台数は前年比133.9%増の2,320万台に達した。2019年第1四半期の市場トップは、510万台を出荷したAmazonだ。第2位は、Googleで410万台の出荷数だった。
この米国の2社に続くのは、中国企業のAlibaba、Baidu、Xiaomiだった。この3社の出荷台数の総計は、1位2位を占める米国2社のAmazonとGoogle2社の出荷台数の総計を超えており、いずれも中国の国内市場に特化している。
「スマートスピーカー、もっと新しいところではスマートディスプレイがありますが、これらの出現により、スマートホーム市場がかつてないほど身近になりました」と、米国IDC Mobile Device Trackerリサーチマネージャーのジテシュ・ウブラニ氏は述べている。
また、「AmazonとGoogleはどちらも、アシスタントの改良と顧客との密着度向上を続けてきました。ところが、ここでプライバシーに対する懸念が持ち上がり、その後、両社ともプライバシー関連の機能を導入するに至りました。また、限定的とはいえ、他のプラットフォーム/デバイスメーカーがよりプライベートなスマートホームエクスペリエンスを提供して市場の一部を獲得できるようになりました」と述べた。
IDCでは、2019年第1四半期以後、スマートホーム市場は2019年末に8億4,070万台、2023年には14億6,000万台に達し、年間平均成長率(以下、CAGR)は14.9%になると予測した。
「市場を支えている原動力はサービスです」と、米国IDC Internet of Things: Consumer シニアリサーチアナリストであるアダム・ライトは述べている。また、「設計、信頼性といったデバイス要素が成功に不可欠である一方、差別化と利益率は別の問題になっています。IoT対応の消費者向け製品は、サービスにおける価値の強化に拍車がかかっていますが、デバイスそのものの利益率は減少しています。」
続けて「データセットの幅と奥深さ、独自性、品質が消費者向けIoTベンダーの潜在的価値をますます決定づけるようになり、デバイスの利益率低下とともに、デバイスの役割はサービスを届ける手段になります」と述べた。
各種デバイスタイプの中でも、ビデオエンターテイメントデバイスが首位に立つことが見込まれる。8K、リフレッシュ速度の上昇、HDR、大型化といったテレビの進歩が多数の消費者のアップグレード意欲を掻き立て、2023年には全出荷数の29%を占めると予測している。
それ以外には、主にカメラ、ドアロック、ドアベルが牽引する、家庭用監視装置/セキュリティデバイスが2023年の出荷数の23.9%を占め、CAGRは20.8%になる。テレビ、温度調節器、照明などのデバイスにスマートスピーカー機能が組み込まれるようになるため、スマートスピーカーとディスプレイの成長は、2023年には1桁に下がり、前年比わずか4.7%の成長率になることが見込まれる。
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