IDC、4K/8Kなど高精細画像・映像伝送などで5Gの活用が進むと予測

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IDC Japan株式会社は、第5世代移動通信システム(以下、5G)の産業向け画像/映像IoT市場に関する分析を発表した。これによると、4K/8Kなどの高精細画像/映像の伝送が、産業分野における5Gの最大のユースケースの1つであることが分かった。

5Gでは、高速大容量、超高信頼低遅延、多数端末接続などの実現が期待されている。中でも、4G(LTE)からの最も大きな進化の1つがアップリンクの高速化であり、これを最も生かすことができる産業分野の用途として、高精細カメラやイメージセンサーで取得した画像/映像データのアップロードが挙げられる。

5Gによってこのような大容量データのクラウド送信のハードルが下がることで、データ分析や活用のさらなる高度化が期待される。より具体的には、以下の3つの分野で5Gの活用が進むとIDCでは分析している。

  • 4K/8K高精細映像コンテンツのリアルタイム配信
  • 機械学習による画像認識
  • 3Dモデリングによる新たな価値提供のユースケース

一方で、5Gの本格普及には、通信モジュールの低価格化や基地局の配備で、サービス提供開始から数年を要すると考えられる。また企業などで5Gの需要が増加するには、解像度の高い画像/映像アプリケーションの利用拡大や、センサーで取得した画像をAIで分析するなどのイノベーションの進展が必要となる。

IDCでは、早期に5Gの導入が進む産業分野の条件として、以下の3つを挙げた。

  1. 生産性を高めるための設備投資に積極的である
    製造業における製品検査のためのマシンビジョンを始め、すでにイメージセンサーを活用した生産性向上や自動化に投資をしてきた産業分野の企業が、さらなる生産性向上に向けて5GやAIなどが積極的に導入すると予測。
  2. 画像/映像活用の取り組みが成熟している
    イベントのリアルタイム中継、パブリックビューイング、高精細VRコンテンツ配信など、新たな映像価値提供への取り組みが進むと考えられる。
  3. 特定企業の管理責任下で変革に取り組むことができる
    5Gは今後、車両、ロボット、ドローンなど自律移動する機器に多く搭載されるが、これらの自律移動機器の普及は、その安全性に関する法制度整備の影響を受けると分析。

5Gでは、全国への基地局の面的展開に加えて、イベント会場や企業構内などその場の需要に応じたスポット展開も進むと予測される。後者については、Mobile Network Operator(以下、MNO)による5G通信サービスと、MNO以外によるエリア限定免許による5Gである「ローカル5G」の構築/運用が競合するケースも多いとIDCでは予測している。

IDC Japan コミュニケーションズ リサーチマネージャーの小野 陽子氏は「5Gに対するニーズは、産業や場所によって大きく異なる。高解像画像/映像を活用し先進的な取り組みを行う企業で5Gの導入が速く進む。MNOもローカル5G提供事業者も、このような先進企業を5Gの初期のターゲットに含めるべきである」と分析している。

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