SPORTS TECH TOKYOの全貌とチャレンジ -Microsoft Innovation Lab 2019 レポート2

スタートアップ メディア運営などを行う池田 将氏がモデレータを務め、株式会社 電通 CDC Future Business Tech Team部長 事業開発ディレクター 中嶋文彦氏、スポーツブランディングジャパン株式会社 代表取締役社長 日置 貴之氏、Blue United Corporation President and CEO 中村 武彦氏の3人のパネリストとともに、SPORTS TECH TOKYOの取組みやスポーツテックスタートアップの市場参入における課題、スポーツビジネスの今後などについて語った。

SPORTS TECH TOKYOとは

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株式会社 電通 CDC Future Business Tech Team部長 事業開発ディレクター 中嶋文彦氏

SPORTS TECH TOKYOとは、2018年に発表された電通とスクラムベンチャーズで共同開催する「ワールドアクセラレーションプログラム」である。スポーツテックをテーマに世界からスタートアップを募集して、採択をしたスタートアップに対して、投資を含む様々なビジネス機会を提供する。

このプログラムには、スポーツチーム・リーグ幹部、スポーツビジネスパーソン、パートナー企業、メディアスポンサー、テクニカルスポンサー、投資家など様々なプレイヤーが参画して、スポーツとテクノロジーを軸に多様な事業創造を生み出すコミュニティとなっている。

応募スタートアップの状況というと、2019年1月31日の締め切りまでに世界33か国から約300社のスタートアップが応募してきていた。国別にみると米国が43.8%、次いで日本が18.4%、英国が10.6%と続き、80%以上が日本以外のスタートアップが応募してきている。日本発でありながら世界的に注目を集めているプログラムであることがうかがえる。

そして現在、約300社の応募の中から残ったファイナリストは12社。約半数が米国が占め、日本からは1社、その他に欧州やインドからといった状況となっている。これから2019年後半は、多様なメンタリングを受けたり、プログラムに参加している世界各国からのパートナーとオープンイノベーションに取り組んだりする、活性化ラウンドへ進んでいく。

このSPORTS TECH TOKYOがどうしてグローバルで展開することになったかの経緯について、プログラムオーナーである電通の中嶋氏は、「日本国内でも盛り上がりを見せチャンスであることは感じていた。これを世界各国のパートナーと組むことで、アメリカで展開できるヘルスケアに転換できないか、日本で行っているものをアジアに展開できないかと考え、最初からグローバルでやることを決めた」と説明した。

テクノロジーを活用したファンサービスエンゲージメント

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モデレータを務めた池田 将氏

池田氏はSPORTS TECH TOKYOの際、NFLの49ers(※)が入っているリーバイススタジアムの裏側の放送設備を見学した。放映する映像を編集するのはもちろんだが、ファンサービスのためのストリーミングするサービスもこの設備から行えるようになっており、こういったところにスポーツテックのテクノロジーがふんだんに入っていると説明を受けたという。

「担当者の話を聞いてて思ったのは、すごくファンエンゲージメント高めるため、今いるファンを増やすということだけでなく次の世代ファンを増やしていくということに対しても、いろいろな取り組みを行っているという印象を受けた。テクノロジーを使ってこういったファンエンゲージメントに対する取り組みは日本とアメリカ、海外とを比べてどうか。」とパネリストの意見を求めた。

※NFLはアメリカンフットボールのリーグ名、ナショナル・フットボール・リーグの略、49ersはそのリーグに属するチーム名

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(写真左)スポーツブランディングジャパン株式会社 代表取締役社長 日置 貴之氏、(写真右)Blue United Corporation President and CEO 中村 武彦氏

中村氏は、テクノロジーを入れること自体が大事ではないということを前提としてこう説明した。「勝ち負けだけでなく、食べ物や家族との時間などあらゆる側面で、スポーツエンターテイメントをどうやってファンに楽しんでもらうのかが大事である。そのような仕組みを作るために時代の流れとともにスポーツ業界にもテクノロジーが入ってくるのは必然である。日本のスポーツは海外に比べて50年もしくは80年遅れている。そういう意味でSPORTS TECH TOKYOを「東京」主体で行ったのは良かったと思う。」

「スポーツは時間消費型エンターテイメント産業でありビジネスであるが、逆に日本は特殊では体育的な発想になっている。いかにこの空間に多くの人が訪れて、よりたくさんのお金を使ってくれて、ながく滞在してくれることができるかということを考えれば、当然デジタルが必要になる。また、もともとエンゲージの走りはヨーロッパのサッカークラブが海外ツアーをする中、地元のファンといかににつながるかというところにDIGITALが活用され始めた」と、日置氏は説明した。

そして最後に中嶋氏は「このSPORTS TECH TOKYOを立ち上げてから1年ほどだが、スポーツを入り口とした広範なビジネス、エキサイトメントを高めるコミュニティが世界に広がっていくことは非常にうれしく思う。これをビジネスに埋め込んでいくために皆さんとのコラボレーションをどんどんやってきたいと思っている。今回の経験をもとに来年もより新しいチャレンジをしていきたいと考えているので、ご期待頂きたい。」とSPORTS TECH TOKYOの抱負を語りセッションをしめくくった。

SPORTS TECH TOKYO オフィシャルサイト

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