富士通、自動車ビッグデータの分析を支援するストリームデータ処理基盤「Stream Data Utilizer」を提供開始

2020年以降、コネクテッドカーは増え続け、走るセンサーである車両から集まった画像やCANデータといった自動車ビッグデータは、自動車の開発のほか、交通監視や地図、保険といった様々なモビリティサービスへ活用の広がりを見せると期待されている。

一方で、これらの自動車ビッグデータを分析するためのシステムは、提供するサービスごとにサイロ化し、開発機能やシステムリソースが重複しており、各種サービスを柔軟に効率良く実現できるシステムが必要となっている。

そこで、富士通株式会社は、コネクテッドカーから収集される自動車ビッグデータを活用してサービスを提供する事業者向けにストリームデータ処理基盤「FUJITSU Future Mobility Accelerator Stream Data Utilizer」(以下、Stream Data Utilizer)を提供開始した。

Stream Data Utilizerは、株式会社富士通研究所が開発した、データ処理を継続しながら処理内容の追加・変更を実行できるストリームデータ処理技術「Dracena(ドラセナ)」を実装し、自動車ビッグデータの分析を支援する基盤である。

実世界の歩行者や車両・道路・建物などのヒトやモノを単位に、ストリーム処理の中でデータとデータ処理プログラム(以下、プラグイン)をオブジェクトとしてインメモリシステム(※1)上に管理している。

さらにオブジェクトの中で、データに加えてプラグインとプラグインの切り替えタイミングをメッセージとして受け取る仕組みとプラグイン実行制御の機能を持たせることで、ストリームデータ処理を継続しながら、システムを止めずに新しいプラグインのデータ処理を実行できる。

このため、並列処理はもちろん、システムを動かしたままでアジャイルにデータ処理内容の追加・変更や、プラグインにおける数値判定の閾値を変えることによる仮説検証ができるため、サービス提供事業者は様々なユースケースでデータの分析、予測サービスを柔軟に対応可能となる。また、コネクテッドカーへの危険情報予測のリアルタイムな配信など、無停止運用が求められる様々なサービスを追加、変更することができる。ユースケースは以下の通り。

  • 各車両の走行状況を道路別にリアルタイムに分析することにより、仮想的な道路の状況を作り出し、渋滞や危険地点といった交通情報などをサービス提供する。
  • 最新データを処理しつつ、直近実行した数回分の処理結果もメモリに保持しながら、データ処理の対象となる車両などの過去から現在の状態の分析や、未来を予測することで、自動車のバッテリーなどの故障予防保守や運転診断といったサービスを提供する。
  • 既存のデータ分析、提供サービスを停止せずに既存サービス改善や新サービス追加することで、無停止運転が求められるコネクテッドカーへの危険情報予測や運転アシストなどのサービスへ対応する。

なお、各サービスと料金は以下の通り。

  • Stream Data Utilizer 基盤機能サービス
  • 歩行者や車・道路・建物といったヒトやモノを個々のオブジェクトとしてデータ管理し、オブジェクト毎にプラグインを管理・実行するサービスである。月額料金は10万円からである。

  • Stream Data Utilizer 要件定義サービス
  • 実現したい機能要件、非機能要件をヒアリングしシステム化要件定義書の作成を支援するサービスである。料金は100万円からである。

  • Stream Data Utilizer セットアップサービス
  • システム化要件定義書に従い利用環境を構築するサービスである。料金は100万円からである。

富士通は今後、北米や欧州地域へもグローバルに展開する予定だ。

※ サーバ上のメモリにデータを格納し高速な処理を実現するシステム。

プレスリリース提供:富士通

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