ベビーテック、こどもを見守るIoTソリューションと取り組み

近年、待機児童や保育士に対する処遇改善が取り上げられている。

特に保育士の採用・離職状況は、2013年時点で採用が48,733人、離職者は32,823人であった。勤務者全体の割合から見ると、採用率15.2%に比べて離職率は10.3%で約5%しか定着していないことになる。※1

なかでも、保育士における現在の職場の改善希望状況は、給与・賞与改善が60%近くを占め、次点以降は職員の増員、雑務の軽減と続く。※2

そんななか、子供を見守るIoTソリューションや実験で様々な企業が、子供をとりまく課題に取り組んでいるので紹介したい。

昼寝中の園児を見守るサービス

[参考記事] hugmo、昼寝中の園児を見守るサービス「hugsafety」提供開始

「hugsafety」は、マット型IoTセンサーと、「hugnote(ハグノート)」という連絡帳アプリを連携させるサービスだ。

マット型IoTセンサーで検知した呼吸や心拍の状態は、Wi-Fi接続を通じ自動的にクラウドにアップロードされ、「hugnote」アプリで確認できる。異変を検知した場合は、アプリの表示と音でアラートを通知するため、いち早く園児の状態を確認することができるというものだ。

デジタル化された連絡帳で、手書きする時間を削減するだけでなくより素早く情報が連携されることで、子供の状態を常に見守ることが可能なソリューションだ。

AI・画像解析技術を活用した残食調査支援システム

[参考記事] mode-Duo、AI・画像解析技術を活用した残食調査支援システムの実証実験を保育園で実施

これは、企業主導型保育園「ぼくのひみつきち」に在籍する12名の園児を対象に、1か月間実施した実験だ。

内容は、保育士が、スマートフォン(タブレット)端末のカメラを用いて食前・食後の配膳画像を撮影し、配膳画像と残食画像をもとに、残食の量と割合を画像認識技術により自動検知する。事前に入力した給食の献立情報から、園児が摂取した栄養価を自動算出し、厚生労働省による推奨される1日の摂取栄養量と比較する。

また、園児が「推奨される栄養摂取量」を摂取できているかのみにとどまらず、厚生労働省から指定されていない栄養素(ナトリウム、飽和脂肪酸、食物繊維など)についても、栄養士監修のもとデータ比較できるようにしており、実験段階ではあるものの撮影画像での比較が可能と判断された。

もし、活用されれば日々の日記が両親のもとへ届き、自宅で接種必要な栄養素を確認できるだけでなく、子供の体調を把握するきっかけにもなるのではないだろうか。

IoT・AI等を活用した「スマート保育園」

[参考記事] 埼玉県、IoT・AI等を活用した「スマート保育園」モデル実証実験をユニファと実施

現在、保育の現場では保育士の人手不足や保育の安全性確保等、喫緊の課題が多くあり、手作業による事務作業も多い。これらの業務をIoT、AI等で効率化して、保育士が子どもと過ごす時間を増やし、人手不足の解消や保育の質の向上等を図るという、官民連携の「スマート保育園」の実証実験だ。

該当の実証実験のなかでは、ベビーテックを活用しデータ収集や分析を行い、業務効率化やIoT導入への課題をあぶりだす。
期間内で活用されるソリューションは以下の通り。

  • 園児の昼寝中の体動や体の向きを記録する「ルクミー午睡チェック」
  • スマート体温計「ルクミー体温計」
  • 子どもの健康状態の異変を早期検知する「見守りAI」
  • 「ルクミーフォト」での自動撮影や音声録音のデータをAIが処理することで効率的に日誌を作成する「スマート日誌」
  • 「キッズリー保育者ケア」での保育園の組織診断による早期離職の防止

こちらも実験中ではあるものの、どこまで人手不足の現場で有用性が確かめられるか期待度が非常に高い取り組みだ。

 

※1出典:平成25年社会福祉施設等調査(厚生労働省統計情報部)より
※2出典:「東京都保育士実態調査報告書」(平成26年3月)東京都福祉保健局

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