IDC、IoT利用企業の割合は前年比で0.3ポイント増加し競合の多い業界ではIoTに対する取り組みが慎重だと発表

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IDC Japan株式会社は、国内IoT市場の企業ユーザー動向調査結果を発表した。IDCでは2019年8月~9月にかけて、全国の従業員規模100人以上の企業を対象に「IoT利用企業動向調査」と「IoT担当者深堀り調査」という2つの定量調査(Webアンケート)を実施した。

「IoT利用企業動向調査」では、企業のIoT利用率や具体的なユースケースなど市場の概況を把握することを目的としている。回答があった2,776社の内、IDCの定義するIoTの利用企業(以下、IoT利用企業)は187社で、利用率は6.7%だった。IoT利用企業の割合は継続的に増加しており、前年比で0.3ポイント、2015年比で1.8ポイント増加している。

産業セクター別にみた場合、「製造/資源セクター」のIoT利用率は組立製造業とプロセス製造業が牽引し、利用率が高い傾向がみられる。IoT利用企業の多くは、社内業務プロセスの合理化/コスト削減を目的とした「社内用途」のIoTを利用している。一方でIoTを顧客向けの製品/サービスの付加価値創出や新たなビジネスに役立てる「DX用途」を推進する企業もIoT利用企業の23.0%を占める。

「IoT担当者深堀調査」では、企業の中で自身の業務の1割以上をIoTに充てる「IoT担当者」を対象に調査を行った。回答があった16,308名の内、1,037名(6.4%)がIoT担当者に該当した。IoT担当者が所属する企業では、2016年頃からIoTに対する関心度合いが高まっており、2017年に開始した取り組みが全体の3割程度を占める。

そうした企業をIoTへの取り組みフェーズ別に分解すると、IoTを本番フェーズで利用する企業には「意思決定のスピードが速い」とという特徴がみられる。一方、競合の多い業界や事業構成変化が大きい企業では、IoTに対する取り組みが慎重な傾向がみられる。

また、IoTプラットフォームの利用に関し、「分からない」または「使っていない」と回答したIoT担当者は全体の4分の1未満(73回答)であり、残りの4分の3はなんらかのIoTプラットフォームを利用していることが判明した。産業特化型IoTソリューションをIoTプラットフォームと組み合わせるケースも少なくないことも分かった。

IDC、IoT利用企業の割合は前年比で0.3ポイント増加し競合の多い業界ではIoTに対する取り組みが慎重だと発表
「 貴社ではIoTプラットフォームを利用していますか? 利用している場合、その中で最も主要なIoTプラットフォームを提供するベンダーを選んでください。」に対する回答

IDC Japan のコミュニケーションズ シニアマーケットアナリストの鳥巣 悠太氏は「IoT関連システムの開発人材を内製化している企業は増加傾向にあるが、そうした企業であっても「ベンダーの自社事業に対する理解の不足」や「ベンダーの技術力の低さ」を指摘する回答は少ない。IoT人材の内製化に積極的な企業であっても、IoT事業推進に向けベンダーに対してなんらかの期待を持っている」とみている。

そして「IoT開発人材を内製化している企業では、ベンダーに対してシステムのカスタマイズ対応力、IoTプロジェクトの明確化、費用対効果の算定など、技術の観点以外において多様な要望を持っている。ベンダーはこうした多面的なサポートを企業に提供することにより、企業におけるIoT開発人材の有無にかかわらず、IoTに関わるビジネス収益を拡大することが可能になる」と述べている。

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