製造業における、原価を「共通言語」にして企業の競争力を高める ―mcframe Day2019レポート

「Visual BOM」「EM-Bridge」の活用法

では、そうした企業の競争力を高めることに、「mcframe PLM」シリーズはどのように貢献できるのか。その点について、まず「mcframe PLM Visual BOM」の機能について説明があった。

「mcframePLM Visual BOM」はE-BOMとM-BOM、図面などが一つの画面の中で見ることが出来るソフトウェアで、設計部門だけではなく様々な部門で活用できる仕組みを用意しているという。

デモンストレーションで流れたのは、三次元の情報からE-BOMの原価の高いところどこで使われているのかを確認する、設計変更前・変更後を三次元の情報で比較できる、といった用途における操作画像だった。「文字だけではなく視覚の情報で分かるようにする」点が「mcframe PLM Visual BOM」のポイントだという。

そして、こういった機能を使って設計成果物の資産化、部品を探せる、標準部品を選定できる、そして最終的にはモジュラーデザインにつなげていく、といった標準化のステップアップをサポートするそうだ。

「類似形状検索」という機能についても説明があった。これは「似たような部品は無いのか」を探す検索だという。

この機能については設計だけでなく、個別受注の段階でも調達部門で利用されているそうだ。素材が同じで形状がおおよそ似ていて、大きさがある程度レンジに入っている部品は、同じ加工機で対応できる。そうすると個別受注であったとしても、ある程度の量産効果というものを担保して出来ることになる。そういった観点でまとめ発注といったものを上手く企画すれば、コストダウンといったものにつながるのだという。

「mcframe PLM Visual BOM」はCAD上のアッセンブリデータをそのまま持ってくることができる。設計のやり方として、CAD上である程度ルール化してE-BOMの構成を作っていくことができれば、構成の変更もほとんどなくなるそうだ。

原価の集計について「実績原価があるものはそれを使った方が良いが、それが無いものは想定原価=見積り原価を利用する」と、複数のデータから欲しい情報を持ってくる機能があることを伊与田氏は説明に加えた。

続いて「mcframe PLM EM-Bridge」の機能説明があった。これは設計と製造をつなぎ、E-BOMとM-BOM、BOP(=製造工程の情報)を全て統合的に管理できる仕組みを持ったソフトウェアであるという。

「mcframe PLM EM-Bridge」の狙いは主に「モノづくりの情報を統合する、設計変更の影響を特定する、実績を踏まえた工程設計の検討ができるようになる、原価シミュレーションをできるようになる」ことにあるそうだ。

「mcframe PLM EM-Bridge」には拠点別の工程情報をライブラリ管理する「モノづくり統合マスタ管理」の機能があるという。

設計・製造連携で一番重要なのはフローな情報、資産の情報、設備の情報をしっかり持っていること。それによって自分の会社がどこまでだったら精度良くモノが作れるのか、ということを設計部門にも理解できるような情報を揃えてベースにすれば、コンカレントエンジニアリングができるのではないか、というのだ。

製品の貢献度を測る「mcframe COCKPIT」

「mcframe PLM」シリーズ以外にも「mcframe 7」の機能についても紹介があった。「mcframe 7」には原価管理という仕組みも持っており、原価管理の情報の中には販売情報も含まれているので利益の管理が出来る仕組みも用意しているという。

そしてこの「mcframe 7」の仕組みと「mcframe PLM」シリーズを組み合わせて使っている事例が紹介された。これは「モジュラー化を進めていくなかで品種を絞り、製品ミックスを変えていくといったケース」だという。

「品種を絞ると売上データが変わってきて、工場の稼働状況がだいぶ変わる。工場の稼働状況が変わってくると、チャージレートなど様々なところの見直しが発生して、結局儲かるのかどうかが全体的に見えにくくなる。製品単体で積み上げたら出るのだけれど、それが正しいかどうかは分からない。そこで予算原価計算という仕組みを使ってもらい、「製品ミックスが変わって販売額は落ちるけれど、工場が効率化されてより利益が出るようになるね」という方針決定を行った」と事例の詳細が説明された。

製品損益、つまり「ある一定期間だけでなく、製品の開発から販売期間を通じてその製品が儲かったかどうかを追う」ことの重要性も講演内では述べられていた。

一定期間の中で企業として人・もの・金を有効活用できたかどうかを評価する期間損益だけでなく、その製品が投資分である固定費をしっかりと回収しているのかどうか、いつ回収できるのかを評価する。そういった見方はしっかりしていく必要があり、そこにB-EN-Gはデータ活用基盤「mcframe COCKPIT」を用意して対応する旨が説明された。

この「mcframe COCKPIT」は「どの製品に収益力があるのか、ないのか、経営者としてはどの製品に投資すべきか」を判断してもらえるようにするソフトウェアだという。

その例として挙げられたのは、上記写真にある「ものづくりの利益分析」のグラフだ。これを見ると「コスト発生」「新規投下キャッシュ」の折れ線グラフがあり、新規キャッシュの回収ポイント、固定費の回収ポイントがどこにあるのかが分かるようになっている。

伊与田氏が共著者の1人として執筆参加した『儲かるモノづくりのためのPLMと原価』(東洋経済新報社)

講演の最後、伊与田氏は「PLMと聞くと設計部門のツールと思われてしまうことが多いが、「mcframe PLM」シリーズは経営から調達まで様々な部門が使ってくれる仕組みを提供したい」と締めくくった。