食品、組み立て、化学、業界別に見る、工場のIoT

製造業に関するIoTについて調べると、スマートファクトリーやスマート工場という単語をよく目にする。

しかし、全ての工場がこういったスマートファクトリーをすぐに実現できるのだろうか。

またIoTを用いる先も、業界や工場の規模によって変わってくるのではないだろうか。

本記事では、業界別にどのようにIoTが用いられているかを紹介する。

工場になぜIoTが必要か

工場にIoTを用いることで、工場の様々な機器や設備、人のデータを取得し分析・活用することで、新たな付加価値を生み出す事ができる。

例えば、データを取ることでボトルネックになっている工程を見つけ、生産効率を上げて生産量を増やす事ができる。

また、データを取ることで生産工程の分析を行い、自動化する事で人手不足を解消する事ができる。

このような課題を解決するために、工場にIoTが必要であると言える。

製造業の種類と規模

ひと口に工場や製造業と言っても、やっていることは業界や規模によって大きく異なる。

デジタルツインを活用して設計から開発フェーズを革新したり、需給バランスに応じて生産の現場をデジタルの力を使ってコントロールするような最先端の話題がある一方で、人手で作業をしている工場はまだまだ多い。

小さな部品を1日に1万個以上生産する工場もあれば、1つの製品を何週間もかけて作成するような工場もある。

工場にIoTを導入すると言っても、それぞれの工場の特色に合わせて何を導入すべきか決めるべきだろう。

業界別の工場に用いられるIoTの一例

では、業界別の特徴を考えると、それぞれの業界ではどういったテーマでIoTが利用されているのだろうか。食品、組み立て、化学の3領域について解説する。

安全性を確保したい食品工場

[参考記事]
NTT東日本、HACCP義務化に向けて「IoT温度管理サービス」を提供

食品系の工場で重要視されるのは、品質である。

2018年6月には食品衛生法の一部が改正する法律が交付され、HACCPの義務化が決定した。HACCPとは、製造工程中の重要な段階を連続的に監視することによって、最終製品の安全性を担保するシステムのことだ。

そのため、製品最終状態の確認だけではなく、製造途中の状態をモニタリングできるようにするためにIoTが用いられる。

最適生産を実現したい組立加工工場

[参考記事]
JSOL、組立製造業のものづくりプロセスの効率化を支援する「ものづくリンク」ソリューションを提供開始

組立加工系の工場は、組立に必要な部品を納入し加工しているため、様々な部署や関係会社と関係を持った状態で生産を行っている。

そのため、自社の工場の装置ひとつの生産性だけを上げても、部品の納入待ちが発生したり、緊急な発注が発生してその対応に追われたりすると、元々の生産計画を達成できない事がある。

IoTを利用し、リアルタイムのデータを取る事で、サプライチェーン全体で最適な生産ができる。

自動化された装置間をつなぎたい化学工場

[参考記事]
NTTコミュニケーションズ、化学プラント改善における制御パラメータ値の有効性を確認

化学系の工場は、装置産業の代表格と言われており、古くから自動制御が取り込まれていて、省人化が進んでいる。

しかし、各パラメータをフィードバック制御しているのであって、各工程をつないで全自動運転がされているわけではない。

そのため、各工程の自動化や外乱に対しての影響を小さくする狙いでIoTが用いられる。

これらのIoT活用事例は、あくまで主なもので、同じソリューションを別の用途に使うシーンも見られる。

IoTが本格的に導入され始めている昨今、業界を意識した、細分化された情報や事例が今後重要になる。

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