認知症ケアに利用されるAI

厚生労働省の平成28年国民生活基礎調査によると、要介護者の介護が必要になった主な原因の第一位は認知症だ。

認知症の人は、物忘れや判断力の低下などの認知機能障害と、不安、抑うつ状態、興奮などの行動・心理症状が生じることがある。

認知機能障害によって起こる、買い物が正しくできない、整理整頓できないといった問題は、介護保険サービスを適切に利用することで対応が可能になる。

しかし、行動・心理症状が起こると、認知症の人の生活を支えるのは困難になってしまう。介護現場の困難の多くは、この行動・心理症状に関係している。

誰でも高齢になれば認知症になる可能性が高くなる中、認知症の人の生活を支えるためには、介護や医療だけではなく、社会全体が協力する必要がある。

また、認知症は発症すると現代医学では回復することが困難なため、早期発見や適切な処置を行うことで発症を抑えることが重要になる。

認知症ケアに利用されるAIの事例

日常の行動から予知を行う

[参考記事]
ジョージ・アンド・ショーン、認知症の予知を行う機械学習プログラムを開発

なくしもの防止&見守り用端末(タグ)「biblle(ビブル)」を開発・販売するジョージ・アンド・ショーン合同会社は、端末を付けた人から収集される”日常の行動のログ”から得られる情報を利用し、認知症になるであろうと予知・検知される患者を早期発見する機械学習プログラムを開発し、その実証実験としての第1期を終了したと発表した。

同実証試験を行った結果として、認知症を予知・検知するプログラムは、利用するデータの種類により、最低80%から最高92%の精度(※1)にて、高齢者の認知症の予知・検知を実現できたという。

網膜画像から認知症を早期診断する

source:Optina Diagnostics

[参考]
網膜画像を用いたAI による認知症診断技術の日本国内展開について

丸紅株式会社は、カナダ Optina Diagnostics(以下、「Optina社」)と、Optina社が保有する認知症の早期診断技術の日本市場展開に向けたビジネス構築に関するパートナーシップを締結したと発表した。

Optina社は、AI を活用した独自の技術「Retinal Deep Phenotyping Platform」により、患者の網膜画像の特徴からアルツハイマー病およびその他認知症の早期発見を可能にする製品を開発している。

介護ケアの指導教育を行う

source:株式会社エクサウィザーズ

[参考]
リモートコーチング/コーチングAIに関して 株式会社エクサウィザーズHP

株式会社エクサウィザーズは、AIを活用し、包括的ケアメソッド「ユマニチュード」の教育指導を行うことができる「コーチングAI」を開発している。

AIが行なった基本的な指導に、人にしか気づけない細やかな指導を重ねることで、よりレベルの高い気づきを得ることができ、ケアの質を上げられるとしている。

天井カメラとメガネ型カメラの画像から、介護士や要介護者の顔の位置やアイコンタクトを識別しピンマイクから得る会話と合わせて適切なケアができているかを指導することができる。

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