KCCSなど、Sigfoxを活用した水難事故の救助迅速化サービスの実証実験を琵琶湖で実施

毎年、滋賀県の琵琶湖には、釣りやヨットなどのマリンレジャーを楽しむレジャー客が多く訪れている。一方で、マリンレジャーへの不慣れや急な天候の変化等により水難事故が発生しており、救助が遅れると深刻な被害に発展することがある。

救助の遅れの原因としては、救助要請の際に現在位置を正確に伝えられない、救助が来るまでに流されてしまう等の位置情報に関する課題や、救助を要請する連絡手段を所持していない等の課題が挙げられる。また、プレジャーボート等を係留・保管する施設であるマリーナが、ボートの帰港時間が過ぎてから異変に気づいて救助を要請する場合もあるが、広大な琵琶湖では位置が把握できず、捜索が困難になっている。

このような水難事故の救助の遅れに迅速に対応するため、株式会社ハムステッド、ホシデン株式会社、京セラコミュニケーションシステム株式会社(以下、KCCS)は、総務省近畿総合通信局が主催する「滋賀県琵琶湖地域における電波有効利用検討会」で、IoTネットワークSigfoxを活用した、レジャー用船舶とその乗船者を見守るための通信システムを構築・提供し、その有効性の検証を行った。

構築したシステムの特長は以下の通り。

  • 複数の見守り対象(この場合は船舶)の位置情報を同時に表示
  • 低消費電力で定期的に位置情報を発信
  • IoT向けの低価格なネットワークの利用により運用費が低減

同検証では、プレジャーボートと人にボタン付き発信機を装着し、事故でマリーナに帰港できなくなったプレジャーボートの発見・救助と落水した事故者の捜索を想定した実証実験を行った。各社の役割は以下の通り。

  • ハムステッド:発信機の位置を表示する地図アプリケーションの提供
  • ホシデン:GPS位置情報、救難信号を発信する端末の提供
  • KCCS:Sigfoxネットワークの提供

同実証実験の結果、琵琶湖のほぼ全域で位置情報と救難信号を確認でき、マリーナの管理者はその情報を得ることができた。以下は、検証結果の詳細だ。

  1. 事故により帰港できなくなったプレジャーボートの発見・救助
    • 管理者は、プレジャーボートの位置情報を定期的に取得できた
    • 管理者は、プレジャーボート(事故船)からの救難信号を受信でき、現在位置も把握できた
    • 救助船は、湖上で事故船と自船の現在位置を同時に把握し、最短ルートで救助に向かうことができた
  2. 落水した事故者の捜索
    • ボタンを押下することで、事故者は救難信号を発信できた
    • 管理者は、事故者の現在位置を把握できた

実験協力をしたマリーナを運営する株式会社リブレでは、主にレンタル用ヨットでの活用を見込んで、同システムを本導入する。

同サービスは3月に提供開始予定で、サービス料は年額8,000円(端末込み予定価格)だ。

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