プロノハーツ、製造業向けVRデザインレビューシステム「pronoDR バージョン3.0」を発表

2020年4月24日、プロノハーツは製造業向けVRデザインレビューシステム「pronoDR」の新バージョンを発表した。

「pronoDR」は、3DCADの設計データを利用してVR上にモデルを作成し、設計段階におけるデザインレビュー(製品の性能や品質といった点について、設計図面を見ながら各部門の関係者が審査を行う事)をVR空間で行う、というシステムだ。今回発表された「バージョン3.0」では、CADデータ変換の簡便化・高速化、といった利便性を向上する事で、製造業における三次元データの活用を更に広める狙いがあるという。

VRによる三次元データの活用を製造業で広める

そもそも「pronoDR」は、従来の設計段階のデザインレビューにおける不便を解消するために開発されたシステムだ。

二次元の設計図面を利用していた時代のデザインレビューでは、図面を読み解く知識がないために意見を言えないメンバーがいる、という問題があった。また、三次元の設計図面を利用する時代になっても、結局はプロジェクターやディスプレイといった画面を通して確認することで、実物と設計のずれが出てしまう、という問題がある。

このような問題を解決するために、プロノハーツは3DCADの設計データを利用し、VR空間上で実寸大のデータを確認しながら、リアルかつ精度の高いデザインレビューを行う「pronoDR」を2016年に発表したのだという。

さらに、2018年にリリースした「バージョン2.0」では、「設計部門と製造部門の連携強化」をテーマにした機能追加を行った。具体的には、VR空間上に描いたケーブルやマーキングをCAD側にフィードバックする機能や、足跡を表示して移動経路を確認できる機能を付けることで、デザインレビューにおける製造現場と設計部門のやり取りを、より密なものにしたそうだ。

そして、このほど発表された「バージョン3.0」では、設計・製造部門における利便性を高めつつ、それ以外の部門でも「pronoDR」を容易に扱えるようにして、製造業全体の三次元データ活用を更に広げたい、という意図があるという。

プロノハーツ、製造業向けVRデザインレビューシステム「pronoDR バージョン3.0」を発表
プロノハーツ、製造業向けVRデザインレビューシステム「pronoDR バージョン3.0」を発表

プロノハーツ 代表取締役 藤森 匡康氏は「バージョン3.0のコンセプトは「すべての人が使えるVR」である。この「すべての人」には営業部門、あるいは経営層といった設計・製造部門以外の人、という意味が含まれている。三次元データは会社の財産、という考えをプロノハーツは持っているが、製造業の方々も是非このような考え方を持ってデータを有効活用していただきたい」と述べた。

「pronoDR バージョン3.0」の特徴

今回の「バージョン3.0」の特徴は、以下の3点である。

CADデータ変換の簡便化・高速化

1点目は、「CADデータ変換の簡便化・高速化」である。以前のバージョンでは、データ変換作業が複数の段階に分かれ、変換処理に一定の時間がかかっていた。しかしバージョン3.0では、CADファイルを指定し、変換ボタンを押すという2ステップでデータの変換を行う事が出来る。これにはCADデータの変換を「誰でも」「簡単に」行えるようにする、という狙いがある。

プロノハーツ 技術責任者 中村泰敏氏によれば「処理の速度はバージョン2.0の約10倍になっている」という。

VR空間上で部品の選択や移動が出来る

2点目は、「VR空間上で部品の選択や移動が出来ること」である。以前バージョンではCADモデル自体は閲覧するだけで、部品を移動するといったアクションをVR空間上で行う事が出来なかった。しかし、ユーザーからは「3Dデータになっている部品を実際に動かして、レビューを行いたい」という要望が寄せられたため、部品の移動が出来るようにしたという。

3Dモデルをアセンブリ単位でVR上で移動させる。これにより製造現場で部品が引っ掛かるところはないのか、といった事を検証する。
3Dモデルをアセンブリ単位でVR上で移動させる。これにより製造現場で部品が引っ掛かるところはないのか、といった事を検証する。

「バージョン3.0」では部品単位での移動と、アッセンブリ単位での移動が出来る。VR上で動かしたい部品やアッセンブリを選び、動かす事によって、現場での製造過程で不具合が起きないかをチェックする事ができる。

表示機能の強化

3点目は、「表示機能の強化」である。この点については、具体的に下記の機能を強化したという。

  • 選択部品のガラス表示:選択した部分をガラスに変え、その透過度や視認性を検証することができる機能を追加した
  • 足跡表示機能の標準搭載:「バージョン2.0」では一部のユーザーのみに提供していた足跡表示機能を標準搭載した
  • エッジ表示:モデルの輪郭を視認し易くするためのエッジ表示機能を追加した
足跡表示機能。写真は建機の3Dモデル内で、足を置く位置を検証している場面
足跡表示機能。写真は建機の3Dモデル内で、足を置く位置を検証している場面

今後は点群データの取り込みなどにも取り組む

「pronoDR バージョン3.0」は、年間48万円、月間8万円(ともに税抜価格)で提供するとのこと。

プロノハーツ 藤森氏は「「pronoDR」シリーズについて、今後は点群データの取り込みや、AR・MRへの展開にも取り組んでいくつもりだ」と述べて、会見を締めくくった。

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