住友ベークライトとNEC、AI・IoTなどの導入により製造工程の自立制御を実現

少子化による生産年齢人口の減少に伴い、ものづくりの現場では、人手不足が深刻化している。また、熟練技術者の高齢化が進む中、技術、経験、ノウハウを伝承するとともに、ICTを活用しこれらを可視化することが課題となっている。

このほど、住友ベークライト株式会社 と日本電気株式会社(以下、NEC)は生産技術のデジタル化に向けて共創し、製造工程にAI、IoT等の最先端のテクノロジーを導入することで、製造工程の自律制御を実現した。

今回の共創では、住友ベークライトの静岡工場等の国内主力4工場内における装置の稼働情報等を、IoTを用いて可視化するとともに、AIが各工程における制御ルールを分析することで、機能性化学品のバッチ連続型生産ライン(一定数量を品目ごとに連続して生産する方式)におけるデジタル化を実現した。

今後は国内の他の生産拠点・生産ラインへの展開を図るほか、海外拠点への導入に向けた環境整備を進めていく。また、共創を通じて、ITとケミカルの両方に精通するITケミストの育成にも取り組むとしている。

生産技術デジタル化の特長

通信規格の異なるデータの収集

特定ベンダーにとらわれないオープンで自由なものづくりを支援するEdgecrossコンソーシアムが普及推進するエッジコンピューティング領域のソフトウェアプラットフォーム「Edgecross」を活用することで、異なる装置メーカの出力情報について、通信規格の差異を吸収する。複数種類のデータを工場全体で分析できる環境を構築する。

AIを活用したデータ分析と異常の見える化

製造工程各所に取り付けたセンサーを通じて、装置の稼働情報、品質に係る評価情報等を収集し、自動的に分析する。NECのAI技術群「NEC the WISE」の1つである「インバリアント分析技術」(センサデータの中にあるシステムの特徴を表す普遍的な関係性を、自動的、かつ網羅的に抽出して、モデル化し、モデルと一致しない「いつもと違う」挙動をサイレント障害として検知するAI技術)を用いることで、リアルタイムに得られる計測データからいつもと違う異常を発見し、その違いを数値化する。

AIを活用した制御ルールの設定

運用上規定されている装置の制御ルールに加えて、AIを活用することで、熟練技術者の経験に裏打ちされていた装置制御に関する暗黙知を制御ルールとして見える化して登録し、製造工程の自律制御と品質の安定化や向上を目指す。

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