ソニー、非接触ICカード技術「FeliCa」の次世代ICチップを開発

ソニー株式会社の非接触ICカード技術「FeliCa」は、交通乗車券や電子マネー、アクセスコントロール兼用の社員証などセキュリティーと性能が重視される市場で普及しており、これまで累計14億個以上のカード向けICチップおよびモバイルFeliCa ICチップを出荷している。

このほど、ソニーはFeliCa Standard非接触ICカード向けの次世代ICチップを開発した。同ICチップおよび同チップを搭載したカード製品の量産開始は、2020年11月頃を予定している。

新ICチップは、現行のFeliCa Standard ICチップの機能(チップ内で電子的な金銭情報や権利情報などのバリューデータを管理する機能)との互換性を確保しつつ、クラウド連携が可能で第三者の不正利用を防ぐFeliCaセキュアID機能を新たに搭載したISO/IEC 9798-4(※)に準拠したアルゴリズムを実装し、同ID読み出し時に改ざん検知が可能だ。

これにより、各種電子決済や会員サービス等のオンライン型サービスなどの用途において、各サービス事業者が顧客情報の管理やサービス内容の変更・更新をクラウド上で柔軟に行える。なお、ソニーはFeliCaセキュアID機能の有効活用に向けて、クラウド側で同IDの認証や管理を行うプラットフォーム環境の整備についても検討する方針だ。

クラウドサービスでFeliCaを利用するためのソフトウエア開発環境の一つとして、2020年4月に発売のFeliCaリーダーパソリ向けSDK for NFC Web Client「ICS-DCWC1」も提供している。SDK for NFC Web Clientを使用することで、パソリで読み取ったIDの認証後に、勤怠管理や経費精算などをするためのWebアプリケーション開発を行うことができる。

また、カードとリーダー/ライター端末間の相互認証と暗号通信において、既存サービスとの互換性を備えたDES(Data Encryption Standard)暗号方式/AES(Advanced Encryption Standard)暗号方式をサポートしつつ、内部構造や記録されたデータの外部からの解析、読み取りを回避する耐タンパー技術を搭載した。その他、セキュリティーに関する国際標準規格ISO/IEC 15408の評価保証レベルのEAL6+を2020年6月に取得しており、PTPPに準拠している。

さらに、異なるサービス事業者間で、それぞれの既存システムを生かしながらお互いのサービスを追加し、データ連携ができる機能(拡張オーバーラップ機能)を新たに搭載した。また、FeliCaの標準機能を備えるFeliCa Standardの機能に加え、セキュリティー機能を簡易化しファイルシステムを最適化したFeliCa Lite-S機能も搭載している。

従来は異なるサービス機能を統合する場合、システムの改修等の新たな投資が必要だったが、これらの機能により既存のインフラを生かして開発負担を抑えながら統合したサービスの提供が可能だ。

そして、従来のセキュア通信機能における通信データの暗号化および改ざん検知に加えて、通信データの改ざん検知のみをサポートするセキュリティーオプションを追加した。これにより、要件となるセキュリティーニーズを満たした上で高速トランザクションを重視するユースケースにおいて、コスト等とのバランスをとったシステムソリューションの選択肢が広がる。
ソニー、非接触ICカード技術「FeliCa」の次世代ICチップを開発

※ ISO/IEC 9798-4:エンティティ—認証の国際標準。-4はMAC(Message Authentication Code)を用いたプロトコル。

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