PALTEK、エッジ端末での情報処理を高速化する組み込みFPGAエッジコンピューティングを開発

5Gの導入期から普及期への移行を目前に控え、今後IoTの活用が加速度的に進展することが予想されている。その中で、さまざまな機器から取得できる情報は増大し、クラウドでその処理をすべて行うにはいくつもの課題がある。

株式会社PALTEKは、エッジ端末で生成される情報を高速に処理する、ザイリンクスのMPSoC(※1)搭載のFPGAエッジコンピューティング「So-Oneモジュール」を開発し、販売を開始した。

従来、自動運転や機器稼働の制御などを行う場合、取得したデータをもとに指示命令を行うためにはリアルタイム性は必須となる。クラウド側で処理を行う場合は通信での遅延時間が発生するが、エッジ側で処理を行う場合はその遅延時間が大幅に短縮されるため、リアルタイム性が向上する。

また、端末側で発生したデータをすべてクラウドに上げる場合には、データ通信料やクラウドサーバの容量確保などのコストが発生するが、エッジ側で処理することによりそれらのシステム運営コストの低減が可能になる。さらに、エッジ側からクラウド側へデータを送信する場合、データの漏洩リスクが生じるが、エッジ側で処理を行うことでこのリスクを低減することができる。

加えて、So-Oneモジュールはインダストリアルグレード製造されているため、量産品への組み込みも可能となる。So-Oneモジュールを搭載するキャリアボードは必要なインターフェースに応じてユーザーにて用意が必要だ。なお、ユーザーでのキャリアボード開発を行わない場合は、PALTEKにて仕様に合わせた受託開発が可能だという。

So-Oneモジュールを活用することで、今まで実装が難しかったドローンなどへの高速なエッジコンピューティング搭載を可能にし、また店舗などでの監視カメラや製造現場でラインセンサカメラなどでのエッジコンピューティングの高速化が実現できる。また、AIによる病巣の診断補助、工場施設でのセンサデータ解析、ビジョンセンサを活用した産業用ロボットでの映像解析などのワークロードを高速化でき、システムコストおよび消費電力削減が可能になる。

PALTEK、エッジ端末での情報処理を高速化する組み込みFPGAエッジコンピューティングを開発
組み込みFPGAエッジコンピューティング「So-One開発キット(※2)」
今後PALTEKは、ザイリンクスが提供しているVitis(※3)AI開発環境を活用することで、So-OneモジュールをベースとしたエッジAIソリューションの構築を行い、またAIパートナーと連携によるエッジAIソリューションの拡充も検討する予定だ。

※1 MPSoC:ザイリンクスのSoCポートフォリオのひとつで、プロセッサのソフトウェアプログラマビリティとFPGAのハードウェアプログラマビリティを兼ね備えており、システム性能、柔軟性、拡張性を実現する。また、低消費電力で低コストのデザインを素早く製品化できる。
※2 So-One開発キット:So-Oneモジュールと専用キャリアボードを接続した評価キット(アクリル板を含む)。
※3 Vitis:ザイリンクスが開発した統合ソフトウェアプラットフォーム。ソフトウェア開発利用者でもツールにプラグインするだけで、最適化済みのオープンソースライブラリにアクセスできるため、アルゴリズムに注力できるツール。

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