NEC、ドライブレコーダーとAIで道路の劣化状態を診断するサービス「くるみえ for Cities」を提供開始

高度経済成長期に日本各地で整備された道路は老朽化が進んでおり、定期的な点検と適切なメンテナンスが欠かせない。一方、国内の道路の大半を占める県道や市町村道の点検は、熟練した職員が人手・目視によって行っているケースが多く、IT導入による作業のデジタル化や効率化が求められている。

日本電気株式会社(以下、NEC)は、ドライブレコーダーで記録した映像や加速度情報をAIで分析することで、路面のひび割れ状況や平坦性などを効率的に調査できる道路劣化診断サービス「くるみえ for Cities」を提供開始した。

同サービスはクラウド型のサービスで、自治体が保有するパトロール車両等にドライブレコーダーを取り付けて走行するだけで、路面のひび割れ状況や平坦性などを広範囲かつ効率的に調査することができる。専用車両や高価なカメラ機器などの初期投資が不要なため、顧客は手軽に道路劣化診断を開始し、予防保全を含むデジタルメンテナンスの実現につなげることができる。

具体的には、まず走行中にドライブレコーダーが記録した路面の映像とレコーダーに内蔵された加速度センサーの情報をNECのデータセンターにモバイル通信でリアルタイムに送信する。それらの情報をAIで分析することで、映像からひび割れを、加速度情報から路面の平坦性をそれぞれ把握し、異常や劣化の可能性がある箇所を地図上に表示する。自治体はAIによる診断情報や映像を基に、現場の確認や修繕計画の立案を効率的に行うことができる。
NEC、ドライブレコーダーとAIで道路の劣化状態を診断するサービス「くるみえ for Cities」を提供開始
NECは同サービスの提供開始に先立ち、2020年3月より株式会社南紀白浜エアポート(以下、エアポート)と同サービスを活用した空港滑走路の路面調査及び点検の効率化に関する実証実験を進めている。同実証実験では、通常の道路にはない滑走路ならではの環境(路面の多数のタイヤ痕、路面上の排水溝等)においても調査ができるよう、AIの性能改善に取り組んでいる。両社は今後も、滑走路面での同サービスの実用化に向けて技術実証を進めるとしている。

さらに両社は、空港維持管理業務のさらなる高度化・効率化に向け、これまでの技術実証の拡張として衛星合成開口レーダを活用したインフラモニタリング技術についても実証実験を行う覚書を11月11日に締結した。

同実証実験では、衛星合成開口レーダで空港とその周辺エリアを観測し、観測データを時系列で比較することで滑走路面の変動(地盤沈下等)や空港周辺の障害物を検知する技術の実用化を目指す。加えて、ドライブレコーダーの情報と衛星合成開口レーダの情報を組み合わせることで、路面劣化発生の原因推定や劣化の進行度合いの分析など、予防保全の実現につながる取り組みを共同で検討していく。

なお、同サービスの提供価格は、月額50万円から(税別)である。

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