産総研・富士通・理研のスパコン、機械学習処理ベンチマーク「MLPerf HPC」にて最高レベルの速度を達成

MLPerfは、2018年5月に機械学習アプリケーションを実行するシステムの性能リストを作成することを目的に設立された機械学習ベンチマークCommunityである。

これまで膨大な時間を要していた規模の機械学習計算をスーパーコンピュータを使って行った時の性能評価を行うため、MLPerfは新たな機械学習ベンチマークとしてMLPerf HPCを策定した。MLPerf HPCでは、宇宙論的パラメータを予測する「CosmoFlow」と異常気象現象を特定する「DeepCAM」という2本のベンチマークプログラムのそれぞれにおいて性能を競う。

このほど、国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下、産総研)が運用するスーパーコンピュータシステム「AI橋渡しクラウド基盤」(以下、ABCI)の約半分の規模と、国立研究開発法人理化学研究所(以下、理研)と富士通株式会社が開発中のスーパーコンピュータ「富岳」の約10分の1の規模で計測した結果が、MLPerf HPCにおいて各々最高レベルの性能を達成した。

具体的には、CosmoFlowにおいては、ABCIが約半分の規模を用いて深層学習に特化した演算装置で構成されたGPUタイプのスーパーコンピュータの計測値で1位となり、GPUタイプの他システムの性能と比較し20倍となる処理速度を達成した。同様に、富岳では約10分の1の規模を用い、汎用的な演算装置で構成されたCPUタイプのスーパーコンピュータの中で1位となり、CPUタイプの他システムの性能と比較し14倍となる処理速度を達成した。

DeepCAMについても、ABCIの約半分の規模を用いた計測は今回登録した全システムの計測値で1位となった。

今後、富士通と産総研、理研、株式会社富士通研究所は、今回の計測にあたり開発した大規模機械学習処理を高速化するライブラリやAIフレームワークといったソフトウェアスタックを一般公開する。

これにより、スーパーコンピュータでの大規模機械学習の活用が容易となり、シミュレーション結果の解析による異常気象の検出や宇宙物理学上の新たな発見への応用が期待できる。また、膨大な計算性能を必要とする汎用的な言語モデルの実現といった応用への広がりが期待できるなど、Society5.0実現のための中核プラットフォームとして社会的・科学的課題の解決に貢献する。

プレスリリース提供:富士通

Previous

KDDI総合研究所と大阪府立大学、モバイル回線に接続したスマートフォンで遠隔制御可能な水上ドローンを開発

マクニカ、AIの社会実装を加速化する「BrainTech」の取り組みを開始

Next