IDC、在宅ワーク等の業務改革によりBPOサービス市場が拡大し企業のDX推進につながると発表

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IDC Japan株式会社は、国内ビジネスプロセスアウトソーシング(以下、BPO)サービス市場予測2021年~2025年を発表した。これによると、2020年の国内BPOサービス(人事/財務経理/カスタマーケア/調達購買)市場規模は、前年比3.9%増の8,484億円だった。

新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)により、新規営業活動の停滞や、プロジェクトの中断や順延、企業のキャッシュアウト抑制の動きなど、マイナス面の影響が見られた。

しかし、従業員の在宅ワーク化を推進させるために企業は、自社業務の見直しを行い、その結果、業務のアウトソーシング化が進んだことで、BPOサービスベンダーにとってのプラス面での影響がより大きくあった。企業が業務再編を行う流れは、2021年以降も強く、同市場の成長要因となり、2020年~2025年の年平均成長率は4.9%で2025年には1兆785億円になる見通しだという。

国内の人事BPOサービス市場は、福利厚生サービスや、タレントマネジメントサービスが、経済活動停滞の影響を大きく受けたが、在宅勤務が広がる中、従業員に対してのマネジメントや評価などで悩みを抱えている企業から、各種BPOサービスに対する関心が非常に高まった。また、給与業務に対しては、レジリエンシーの観点から業務の多拠点化を進める企業が多く、その際にBPOサービスが活用されるケースが目立った。

国内カスタマーケアBPOサービス市場は、「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」に代表される各種経済対策を政府や各自治体が実施したことで、コールセンター業務などのスポット案件が発生し、2019年を超えて成長した。また、非対面での顧客接点強化に取り組む企業がコンタクトセンターを積極的に活用する動きを見せている。

国内財務/経理BPOサービス市場は、経済活動が停滞し、企業の領収書や請求書など処理する紙文書が減少したことで、2019年より成長率は低下した。しかし、COVID-19によるパンデミックをきっかけに、抜本的な業務改革に取り組む企業も多く、BPR(Business Process Re-engineering)も含めた包括的なBPOサービスが拡大した。

アウトソーシングを前提とした業務の整理/サポートといったニーズが多く見られたことから、2021年以降の市場成長につながってくるとIDCではみている。

国内調達/購買BPOサービス市場は、オフィスに人が不在であった期間が長く、経済活動が停滞したことで資材や間接材の発注量が減少し、成長率が鈍化した。しかし、Fax注文や小口現金で対応している間接材を中心に、購買業務の効率化や電子化/透明化などに対する企業からのニーズは衰えていない。経済活動が正常化すると共に、COVID-19以前の成長率に回帰するとIDCではみている。

COVID-19をきっかけにして、企業は抜本的な業務改革を行い、自らのDXを推進させようとする姿勢を強めている。そのため、従来型のBPOサービスだけでなく、データを活用した先進的サービスやソリューションに対する企業の受容性は高まっており、BPOサービスベンダーにとっては非常に良好な市場環境になっている。

IDC Japan ITサービスのマーケットアナリストである井辺将史氏は「国内BPOサービスベンダーは顧客企業のDXを推進させるパートナーとして、自らのサービスを進化、発展させることが、ビジネス機会の拡大につながる」と述べている。