花王、スマートフォンなどで動画を撮影するだけで歩行動作を詳細に解析できる「mGCC技術」を開発

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動作解析研究でよく用いられるモーションキャプチャ技術は、3次元の歩行動作を正確に解析できるというメリットがある。しかし一方で、複数の赤外線カメラをあらかじめ設置する必要があるなど、場所や時間に制約があり、また、複数の計測用反射マーカーを体に貼りつける必要もあるため、計測には特別な技能や時間を要する。

花王株式会社 パーソナルヘルスケア研究所とサニタリー研究所は、十条こどもクリニック 岩崎博之医師、順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科 内藤久士教授、上海体育学院 陸大江教授の協力のもと、機械学習技術を用いることで、2次元の動画を撮影するだけで3次元の歩行動作として詳細に解析できる「mGCC(mobile Gait Change Capture)技術」を開発した。

同技術は、一般的なデジタルカメラ(RGBカメラ)(※)で撮影した2次元の動画について機械学習を行ない、人体の骨格点の動きを3次元のデータとして算出し解析することができる。

同技術の開発にあたり、月齢13~37カ月(日齢400~1,100日)の幼児99名について、歩行の様子を従来のモーションキャプチャ技術により計測し、同時に一般的なデジタルカメラによる動画撮影を行った。次に、モーションキャプチャ技術で得られた3次元のデータから、日齢と相関が高い歩行パラメータを複数抽出して重回帰分析し、幼児の日齢を推定した。

一方、デジタルカメラで撮影した2次元の動画はmGCC技術で解析して3次元のデータとし、上記と同じ歩行パラメータを用いて日齢を推定した。これら2つの推定日齢を比較することで、2次元の歩行動画を撮影するだけで、定量的にその発達を推定できるかどうかを評価した。

その結果、モーションキャプチャ技術から得られた推定日齢は、実日齢と高い相関関係があることが判明した。mGCC技術から得られた推定日齢では、測定精度の高いモーションキャプチャ技術から得られた推定日齢と高い相関関係が認められた。このことから、mGCC技術はモーションキャプチャ技術とほぼ同等の精度で日齢を推定できることが分かった。
花王、スマートフォンなどで動画を撮影するだけで歩行動作を詳細に解析できる「mGCC技術」を開発
同技術を用いることで、わざわざ計測装置を設置することなく、スマートフォンなどで日常的に幼児の歩行の様子を撮影するだけで、歩行動作の発達を知ることが可能となる。

今後花王は、同技術をまずは幼児の発育発達研究の分野へと応用し、今後は高齢者の歩行支援などにも応用範囲を広げ、人々の生活の質(QOL)の向上や健康増進に貢献するとしている。

※ RGBカメラ:撮像素子を用いて可視光域の赤、緑、青の光を電気信号に変換し、3波長のデータとして取得して画像とするカメラ。