ヤマト運輸とアルフレッサ、ビッグデータ・AIを活用した配送業務量予測および適正配車のシステムを導入

世界に先駆けて超高齢社会に突入した日本は、様々な社会的課題を抱えた課題先進国と言われている。社会全体では、高齢者人口の増加と生産年齢人口の減少に伴って、社会保障費の増加とその財源確保が社会的課題の1つとなっている。

また物流分野では、長距離ドライバーの不足に象徴される労働力不足が深刻化しており、一方、医療分野では、新型コロナウイルス感染拡大の影響が医療提供体制に大きな負荷を与え、医療機関の対面業務における感染リスクの低減や医療従事者の業務の軽減が課題となっている。

さらに気候変動リスクへの対応として、医薬品の配送車両におけるCO2削減への取り組みも重要であり、安心・安全で確実な医薬品流通ネットワークを今後も持続可能な状態にするための課題が数多く存在している。

アルフレッサ株式会社とヤマト運輸株式会社は、2020年7月21日にヘルスケア商品の共同配送スキームの構築に向けた業務提携を発表している。業務提携の第一弾として、ビッグデータとAIを活用した、配送業務量を予測するシステムと適正配車を行うシステムを開発し、導入を開始する。

配送業務量予測システムは、アルフレッサがこれまでに蓄積した「販売」「物流」「商品」「需要トレンド」などのビッグデータをAIで分析し、顧客毎の配送業務量(注文数、配送発生確率、納品時の滞在時間など)を予測する。AIが学習することで各種予測の精度が向上し、より効率的な配車計画の作成が可能となる。

一方の配車計画システムは、配送業務量予測システムで得られた情報を基に配車計画を自動的に作成する。これまでにヤマト運輸が蓄積した物流や配車に関するノウハウに加え、渋滞などの道路情報を活用することで、効率的かつ安定的な配車計画を作成することができるという。また配送の業務量が多い時には、ヤマトグループの保有する配送リソースも機動的に活用することが可能であり、これまで以上に安定した配送を実現する。

また、医療機関へ医薬品を納品する際、アルフレッサの配送員と医療機関の医療従事者が対面で検品作業を行っているが、納品するアイテム数が多い場合は対面作業の時間が長くなることがある。アルフレッサはこれまで納品時に検品作業が不要な「パッケージ納品」を展開してきたが、今回導入するシステムに加えて、デジタル機能の活用による事前検品を増やすことで、医療機関における対面作業の時間を短縮する。

配送業務量予測システムと配車計画システムを活用することで、配送生産性が最大20%向上し、効率的な配送が可能となるとともに、従来の固定化された配送ルートではなく、日々の業務量に応じた最適な配送コースを設定することができる。これにより車両の走行距離を短縮しCO2排出量を最大25%削減することで、環境負荷を低減する。

両社は今後、2021年8月からアルフレッサの首都圏の支店を対象に導入を開始する。その後、アルフレッサの全国の支店へ順次、拡大する予定としている。