施設での体力測定は、定期的に行う事で利用者の健康状態や体力を個人ごとに把握し、その後の健康維持の増進や介護予防運動を促すことを目的としている。しかし、測定を行う際の準備・計測・記録・管理の流れは手順も多く、複数人の職員が長時間対応する必要があり、大きな負担となっている。
TANOTECH株式会社は、厚生労働省が推進する「介護ロボットの開発・実証・普及のプラットフォーム事業」において、TANOTECHが開発・販売する非装着・非接触型の自立支援ツール「TANO」を用いて、介護現場での測定業務における職員と利用者の負担軽減を目的としたリビングラボ事業を、SOMPOホールディングス株式会社とSOMPOケア株式会社がプロデュースするリビングラボ「Future Care Lab in Japan」にて開始した。
TANOは、介護施設の利用者や障がい者施設に通う人に楽しく生きがいをもって自立支援を促すシステムで、センサーの前に立つだけで骨格を読み取り、体をコントローラー代わりにして様々なトレーニングを行う事ができる。
多言語対応のリハビリ/レクリエーション/測定等の内蔵コンテンツ数は合計180種以上、また毎年10本以上のコンテンツがアップデートで追加される。また、体への器具装着が不要なため、麻痺がある方、車椅子の方から健常者まで、老若男女問わず使用できる。
今回の実証では、体力測定業務の負担軽減に特化した「TANO CHECK」の開発を行う。
TANO CHECKは、TANOの既存機能をアレンジし、センサーによる自動計測でメジャーいらずに片足立ち、CS30、長座体前屈、5m歩行の自動計測が可能となる。これにより、これまでアナログで行われていた計測作業が自動化できるだけでなく、非接触化も同時に実現する。
また、センサーで測定した数値はその場でシステムに入力・記録することができる。FPテスト、ピークフロー、握力についても計測後に数値を入力することにより、紙に記入してからパソコンに同じ内容を転記するといった手間が無くなる。
さらに、個人ごとに作成したIDのQRコードを発行し、ログインすることで個人単位で計測データを蓄積できるようになる。記録したデータはCSVファイルで出力することができるため、定期的な測定を行う事で利用者の傾向値を見ることができる。
これまでの体力測定は、職員が数名がかりで測定器を並べ、利用者を集めて計測し、記録し、入力するといった手順も多く負担の大きい作業だったが、TANO CHECKにより少数の職員で体力測定を行うことができる。
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