三井E&Sマシナリーとゼンリンデータコム、LTE回線を利用した遠隔自動飛行ドローンによる港湾クレーン点検の実証実験を実施

株式会社三井E&Sマシナリーと株式会社ゼンリンデータコムはこれまで、ドローン自動飛行による港湾クレーン点検技術を確立し、港湾クレーンの構造物点検の一部を、ドローンの自動飛行によるリアルタイムでの映像確認及び画像撮影へと置き換え、点検作業の効率化や省人化に取り組んできた。

このほど両社は、産業用ドローン等を使用して、大分県の協力のもと、大分港大在コンテナターミナル内の港湾クレーンを対象に、4G(LTE)回線を利用したドローンによる遠隔自動点検の有効性を検証する実証実験を実施した。

同実証実験では、ドローン操縦者位置をコンテナターミナル内の事務所内に、ドローンの離着陸地点をメンテナンスハウス周辺に設置し、同実証において点検対象とした港湾クレーン2号機までの飛行経路と点検箇所(CG画面上で設定)の撮影を設定した自動飛行ルートを事前に作成する。

現地では4G(LTE)回線を通じて事務所内にいる操縦者からの飛行開始の指令を受信したドローンが自動飛行ルートに従って飛行し、4G(LTE)回線を通じて撮影及び点検箇所の映像のリアルタイム配信を実施した。

リアルタイムで点検箇所の状態を確認する中で、腐食などが激しく、詳細に確認したい個所があった場合は、自動飛行から手動飛行に切り替え、カメラを調整することで、その箇所の状態を詳細に確認可能であることも検証した。

また、同実証実験には、三井E&Sマシナリーが所有するDJI JAPAN株式会社の産業用ドローン「Matrice 300 RTK」、カメラ「Zenmuse H20」を使用し、ドローンの位置制御には、RTK測位に対応したソフトバンクの測位サービス「ichimill」を利用した。

三井E&Sマシナリーとゼンリンデータコム、LTE回線を利用した遠隔自動飛行ドローンによる港湾クレーン点検の実証実験を実施
事務所での遠隔操縦・点検の様子
三井E&Sマシナリーとゼンリンデータコム、LTE回線を利用した遠隔自動飛行ドローンによる港湾クレーン点検の実証実験を実施
点検箇所の自動撮影画像
今回の実証を通して、4G(LTE)回線による遠隔自動飛行ドローンで、遠隔地から港湾クレーンの点検が実現可能であることを確認できた。これにより、現地に出向くことなく港湾クレーンの点検が可能となり、点検作業の更なる効率化・省人化が期待できる。ドローンの飛行と点検箇所の撮影は自動で全て行うため、操縦スキルに依存しない安定した撮影が可能となる。

さらに、ドローンにて自動撮影した画像は、現在開発中の港湾クレーン点検管理システム内で点検結果とともにクラウドに蓄積することで、効率的な運用管理が可能になる。

今後両社は、2021年度中に大分県の協力のもと、同コンテナターミナルで追加検証を実施し、港湾クレーンの遠隔点検の実用化に向けて取り組むとしている。

なお、同実証実験において三井E&Sマシナリーは、飛行申請、飛行ルートの設定及び、機体のオペレーション、ゼンリンデータコムは遠隔飛行ルート設定プログラムの作成、ドローンの4G(LTE)回線利用のための調査及び関係各社との調整、各種申請関連の支援、大分県は実証実験の実施場所の提供を実施した。

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